
スーパーGTは2度の公式テストが終了し、岡山国際サーキットでの2025年シーズン開幕戦が1週間後に迫っている。ただ公式テストでは、早くも2026年シーズンに向けた噂も聞こえてきた。
今季のGT500クラスは空力開発も凍結され、昨年シビック・タイプR-GTをデビューさせたホンダのように新車両を投入するメーカーもないなど、変化の少ないシーズンとなっている。しかしながら、2026年に向けてはとある変化があるらしいという話が聞こえてきた。それが、トヨタ陣営がベース車両を変更するのではないかという噂だ。
トヨタは2020年、レクサスブランドからトヨタブランドにスイッチ。ベース車両をLC500からGRスープラに変更した。GRスープラは投入初年度から高い戦闘力を見せ、2021年には関口雄飛、坪井翔組がGT500タイトルを獲得すると、2023年には坪井、宮田莉朋組、2024年には坪井、山下健太組が王座に輝いた。チームはいずれもau TOM'Sだ。
このように、過去5シーズンで3度栄冠を手にしてきたGRスープラ。6年目となる今季も開幕前テストからau TOM'Sをはじめとして好調ぶりを見せるなど、4冠目も十分視野に入っている状態だ。そんな車両が今季で見納めになるという情報は、スーパーGTパドックで各所で聞こえてきていた。
この噂を確かめるべく、F1日本GPのパドックに姿を見せたTOYOTA GAZOO Racing(TGR)のグローバルモータースポーツディレクター、加地雅哉氏に尋ねた。
モリゾウ(豊田章男会長)直下のディレクターとして、TGRの様々なモータースポーツ活動を統括する立場にある加地氏に、来季のGT500ベース車両の変更有無や検討状況についてコメントを求めると、加地氏は数秒苦笑した後、口を開いた。
「そうですね、『ご期待ください』ですね」
車両を変更するか否かは直接言及しなかったものの、含みを持たせるコメントを残した加地氏。また、デビューの日が近いと言われる『GR GT3』の進捗についても尋ねると、「今最終調整をしている状況なので、オフィシャルに時期を言える状況ではありません。そういった詰めの作業をやっているというところです」とのことだ。