
ドゥカティのチームマネージャーは現在アプリリアが提唱している負傷欠場ライダーの復帰前にMotoGPマシンによるテストを可能とする案について、趣旨には賛同しつつも2025年中の実現には難色を示している。
アプリリアが負傷したMotoGPライダーに対して、復帰前にMotoGPマシンによるテストを許可するように働きかけているのは、今季加入のホルヘ・マルティンが開幕前の怪我で離脱してしまっていることが背景にある。
現行規則ではライダーは復帰前にMotoGPマシンでテストをすることができないため、レースウィークにぶっつけ本番で試すしかない。アプリリアは、その状況を改善したいと訴えている。
「近年はライダーが復帰を果たしても、MotoGPマシンに乗れないという事がよくあるからだ。(FP1で)1~2周を走って、週末を欠場することを決める事態も出ている」
アプリリアチームマネージャーのパウロ・ボノラはそう語っていた。
「だから我々は安全面の理由から、これが全員にとって良い選択肢になると思っている。MotoGPバイクでのテストが許可されれば、全員の安全性とショー自体の安全性を改善することができる」
「我々は彼(マルティン)が走れるかどうかを評価するために市販バイクに乗せることも考えたが、(MotoGPマシンとは)同じではない。重さもパワーもタイヤの反応も、全く違っている」
こうしたアプリリアの考えについて、ドゥカティのチームマネージャーであるダビデ・タルドッツィは趣旨に理解を示しているものの、今年中に特定のライダーに利益をもたらす変更を支持する理由はないと語った。
「我々はエネアの時(2023年)に同じ問題に直面したが、誰も彼にテストの機会を与えようとはならなかった」
「将来的には、良いアイデアになりうるとは思うし、来年はルールを変えるいい機会になる」
「ホルヘが回復すれば、彼は我々にとって強力なライバルのひとりになってくるだろう。我々はホルヘの事は良く知っているし、彼は我々と優勝を争うライダーのひとりになることもわかっている」
またマネージャーのタルドッツィの発言とは別に、ドゥカティとしてはまだ正式な要請などは受けていないとして、どの姿勢も支持していない。ドゥカティの声明には、次のように記されている。
「ドゥカティの立場は非常に明確だ。我々はMSMA(モーターサイクルスポーツ製造者協会)からの知らせを待っているて、公式な発表があれば我々も評価を行なうことになる」
なおマルティンは第3戦アメリカズGPの欠場も発表され、続く第4戦カタールGPで復帰が叶うかどうかは、まだ分かっていない状況にある。