
タイで開催されたMotoGPのシーズン開幕戦で、ドゥカティがふたつの仕様のエンジンを使用していたことが、motorsport.comの取材で分かった。
ドゥカティは当初、プレシーズンテストでのライダーからのフィードバックを受け、2025年に向けて開発していた新エンジンではなく、2024年型のエンジンをファクトリーチーム含め6台すべてに搭載すると発表した。
コンセッション(優遇措置)を受けていないメーカーは、2025年の開幕時点でエンジンの開発が凍結されるため、ドゥカティはリスクを避けて実績のあるエンジンを使うことを選んだのだ。
しかし”6台すべて”に2024年のエンジンを搭載するという当初の発表に反し、ドゥカティはタイGPでふたつの仕様のエンジンを使用していたことを明らかにした。
最新仕様のバイクを使用するファクトリーチームのマルク・マルケス、フランチェスコ・バニャイヤ、VR46のファビオ・ディ・ジャンアントニオの3台は、2024年のエンジンをアップデートしたモノを搭載。グレシーニのアレックス・マルケスやフェルミン・アルデゲル、VR46のフランコ・モルビデリは2024年型のエンジンを使用する。
ドゥカティの広報担当者はmotorsport.comに、次のように語った。
「マルク、ペッコ(バニャイヤ)、ディッジャ(ジャンアントニオ)用のエンジンは、アレックスやフランコ、フェルミン用のエンジンと比べて小さなた変更が加えられている」
「より新しい仕様では、マルクとペッコのコメントを考慮した」
ドゥカティは2024年、20戦中19戦で勝利したが、今季の開幕戦でもその勢いを維持。マルク・マルケスがスプリントと決勝を制し、弟のアレックスと表彰台に登壇。3位にはバニャイヤがつけた。決勝レースではモルビデリも4位に入り、トップ4をドゥカティ陣営が独占したのだ。
一方、ディ・ジャンアントニオは10位、ルーキーのアルデゲルは13位でレースを終えた。ただ、ドゥカティの広報担当者はエンジンのアップデートによる違いは小さいと強調している。
アプリリアとKTMは、ホモロゲーションにおいて国際ロードレースチーム協会(IRTA)の技術スタッフにエンジンを提出。ドゥカティはライダーたちが使用した2種のエンジンを提出した。これらのエンジンは、2025年以降の検査の際にサンプルとして使用されることになる。
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