
大阪モータースポーツ推進協議会の第2回会議が大阪で行なわれた。会議終了後に記者会見に応じた大阪観光局の溝畑宏理事長は、先日計画の存在が明らかになった万博跡地へのサーキット建設計画について、動きを注視していきたいと語るにとどめた。
大阪観光局は昨年の1月、F1をはじめとしたモータースポーツを招致する計画があることを発表。7月にはそれに向けて「大阪モータースポーツ推進協議会」を発足させ、第1回目の会議が11月に開催された。この時、同協議会の会長を務める大阪観光局の溝畑理事長は、「通年で楽しんでいただけるような、モータースポーツの聖地を作りたい」と語った。
そして今年の1月、大阪・関西万博の跡地の開発計画として提案された3案のうち2案が優勝提案に選出され、そのひとつにサーキットを建設する計画が含まれていることが明らかになった。この2案を基に大阪府と大阪市がマスタープランを作成し、その後開発事業者が決定される予定だ。
この万博跡地へのサーキット建設計画と、大阪観光局が進めるモータースポーツ推進計画はリンクするのだろうという見方が強かった。2月28日に行なわれたモータースポーツ推進協議会第2回会議の後に行なわれた記者会見でも、それに関する質問が飛んだ。
「(万博跡地「夢洲第2期区域」の優秀提案には)2案が残っています。その中にサーキットの建設案がありますが、まだ決まったわけではありません」
そう溝畑会長は説明する。
「我々もその動きに注視していきたいです。モータースポーツの聖地を作るためには、常設サーキットを作るべきという意見が、今日の会議でも出ました。どこにサーキットができるか分かりませんが、協議会で出た提案は参考にしていかなければいけないと思います」
万博跡地には、カジノなども含めた統合型リゾート”IR”が開業することが決まっている。これとの連動について溝畑会長は、次のように説明した。
「たくさんの選択肢の中に、それもありえるかなと思います。ラズベガスのF1も含め、世界には様々な事例がありますからね」
「ただ、まだ何も決まっていない状態です。仮定の話をしても仕方ありません。色々な動きを注視していきたいと思います」
溝畑会長は、常設サーキットを作ることを前提としていると明言。そして大都市から近い場所で開催することで、観客がアクセスしやすいレースを実現したいと語った。
「様々な施策を合わせて行なっていくことを考えると、常設が望ましいと思います。議論の前提は常設のサーキットを作ること、その中で議論を深めていこうということになりました」
「欧米においては、ドライバーの知名度や影響力はすごく大きいです。経済効果も大きいんです。そこから日本はまだまだ遅れているなと感じています。そのハードルのひとつは、日本には大都市型のサーキットがないということ。大阪ならば鉄道網もホテルもあるし、富裕層/インバウンド対策を考えても、いい場所にあるのではないかと思います」
「もちろん富裕層だけでなく、地域の皆様が楽しめるものにしていきます。そのために、(アクセス面での)ハードルを低くして、経済効果の大きいモノを作っていきます。それで大阪のブランド構築に役立てたいと思っています」
大阪モータースポーツ推進協議会の第3回会議は、今年の5月に開催予定である。
ADVERTISEMENT
ADVERTISEMENT