2025.2.20

WEC、カタールでの公式テストおよび開幕戦に向けて性能調整を発表。トヨタGR010はクラス最重量に

Andreas Beil

 WEC(世界耐久選手権)はカタールで2月26日(水)~28日(金) に開催されるシーズン開幕戦に向けて準備を進めている。そして2月21日(金)~22日(土)にカタールで行なわれる公式プレシーズンテストを前に、シーズン最初の性能調整(BoP)が発表された。

 2025年は、ハイパーカークラスが8メーカー計18台、LMGT3クラスは9つのGT3メーカーから各社2台が参戦。特に今季は、新たにアストンマーティン・ヴァルキリーAMR-LMHが登場する。

 車種ごとのパフォーマンスを調整するBoPの第1弾は、水曜日夕方に発表された。これは公式テスト”プロローグ”だけでなく、開幕戦にも適用される。この開幕戦は、12月18日のカタール建国記念日にちなんで総距離1812kmで開催され、最大レース時間は8時間となっている。

 今回発表されたBoPによって、ハイパーカークラスで昨年タイトルを獲得したポルシェとトヨタが、最も重いクルマで開幕戦を戦うことになった。

 昨年、6号車がドライバーズチャンピオンを獲得したポルシェは、34kgのバラストを積み、ポルシェ963の車両最低重量は1064kgに。最終戦で逆転マニュファクチャラーズチャンピオンに輝いたトヨタのGR010ハイブリッドは今年、それよりも1kg重い1065kgとなっている。

 ポルシェ963の最高出力は508kWとなっており、時速250km以上の速度域の出力を調整するパワーゲインと呼ばれる項目はプラス0.8%となっている。

 トヨタGR010は503kWとポルシェよりも最高出力が低い一方で、パワーゲインはプラス3.4%とされている。また、1スティントで使えるエネルギー量は909MJで、これはポルシェと同じとなっている。

 その他のハイパーカークラス車両で、次に重量が重いのはアルピーヌA424だ。車重は1043kgで最高出力は508kWだが、パワーゲインはマイナス3%、1スティントあたりのエネルギー量は903MJとなっている。

 新参者のアストンマーティン・ヴァルキリーは12kgのバラストを積んで1042kg。最高出力は504kW、パワーゲインはプラス0.4%増、1スティントのエネルギー量は899MJとなっている。

 昨年、トヨタやポルシェとタイトルを争ったフェラーリ499Pは1037kg。一方で最高出力は501kW、パワーゲインは調整なし。1スティントのエネルギー量は897MJと、全車で最も少ない。

 BMW MハイブリッドV8は重量はフェラーリと同じ1037kg。出力505kW、パワーゲインはプラス0.6%、エネルギー量は902MJとなっている。

 プジョー9X8はわずか1kgのバラストを積み1031kg。最高出力はもっとも高い520kWだが、パワーゲインはマイナス5.8%となっている。エネルギー量は908MJだ。

 もっとも軽量なマシンはキャデラックV-シリーズ.Rで、バラストなしの1030kg。最高出力は503kWでパワーゲインはプラス3.2%。エネルギー量は898MJとなっている。

 LMGT3クラスでは、残念ながら他のGT3シリーズと比べてかなり重いウエイトが採用されている。グリッド最重量はコルベットZ06 LMGT3.Rの1374kg。次点でメルセデスAMG LMGT3の1371kgだ。最軽量はBMW M4 LMGT3の1344kgとなっている。

ADVERTISEMENT

ADVERTISEMENT

出典: https://jp.motorsport.com/wec/news/ferrari-gets-weight-break-under-wec-qatar-bop/10697248/
この記事を書いた人 Gary Watkins

SHARE

FAVORITE

こちらの記事もおすすめ