
マクラーレンのオスカー・ピアストリは、ランド・ノリスのような強力なチームメイトがいることは、ポイントの食い合いにつながると認めているが、それ以上にメリットがあると考えている。
F1のトップチームはドライバーラインアップの構築において、常にジレンマに悩まされてきた。明確なナンバーワンドライバーを定めた体制がいいのか、それともライバル関係がチームに弊害を及ぼす可能性もある競争力の高いドライバーを2名揃えるかどうかだ。
このドライバーラインアップのジレンマは、そのまま2025年シーズンのレッドブルとマクラーレンの事例に当てはまってくる。
レッドブルはダニエル・リカルドが2018年に離脱して以来、マックス・フェルスタッペンに並ぶようなチームメイトは出ておらず、今年もリアム・ローソンという新人が匹敵できるかどうかは未知数だ。
一方でマクラーレンは、ランド・ノリスとピアストリの両名が競争力を高めており、ふたりの好成績が昨年のコンストラクターズタイトル獲得に貢献していた。
ピアストリ曰く、重要なのはマクラーレンには健全な関係があるという点だという。そしてレッドブルとは「明らかにダイナミクスが異なっている」とコメントし、こう続けた。
「リアムは良い仕事をすると思うよ。もちろん、彼のチームメイトがどれだけ強いかはよく知られていると思うけど、強いチームメイトから得られるアドバンテージはあると思う。互いに学ぶことができるという点は、より速くなろうとするうえで、大きな助けになる」
「たしかに、強いチームメイトが隣にいることで、どれだけアドバンテージを得られたのかを測るのは難しいかもしれない。だけど僕は互いに学ぶことで、ラップタイムの短縮に本当に役に立った思っている」
「でも当然、そこには状況によってマイナスの面もある。僕としては、それがあっても(メリットが)上回ると思うけどね。そして当然のことだけど世界チャンピオンともなれば、チームメイトにとっては価値があるだろう」
ポイントの”食い合い”という面でデータを見ると、ピアストリは2024年シーズンを通じて、ノリスから23ポイントを奪った。とはいえ、このポイントがノリスに渡っていたとしても、チャンピオン争いを覆すほどのものではない(ノリスはフェルスタッペンから63ポイント差のランキング2位)。むしろ、ピアストリはフェルスタッペンから15ポイントを奪った。
なお、フェルスタッペンのチームメイトだったセルジオ・ペレスは、シーズン全体ではフェルスタッペンになんの損失も与えていなかった。その一方でノリス相手でも奪ったポイントは8に留まっていた。
ピアストリは、ポイントの食い合いについては、さらにこう付け加えた。
「確かに、ポイントを互いに奪い合わないという意味では、マックスの方が少し楽かもしれない。だけどどうなるかは分からない。リアムが皆のことを驚かせるかもしれない」
「リアムがどれだけ強いかは知っている。彼とは何年もレースで対峙してきたからね。でもそういったシナリオではどんな状況でも、有利な点も不利な点もあるものだ」