
マクラーレンが、全10チームの先陣を切って、2025年型のニューマシンMCL39を公開。早速シルバーストン・サーキットで、シェイクダウンを済ませた。
マシンのカラーリングは、全チームが揃って2月18日にロンドンで開催される『F175』で発表”しなければならない”ため、暫定版のカモフラージュリバリーを纏ってる。しかも公開された写真は限定的であるため、その詳細はまだ不明である。
ただ一見したところ、MCL38と酷似している部分が多く、実際に多くのコンポーネントを流用している可能性がある。しかしそれでも、いくつかの違いを見つけることができる。
まず目につくのが、ドライバーのヘルメットの上、ロールフープ部分のインダクションポッドの形状の変化であろう。
MCL38のインダクションポッドは、上辺が長い台形状……ホンダのロゴマークの「H」を外したような形状だった。しかしMCL39の当該部分はより丸みを帯び、楕円形に近い形状になっているようだ。開口部の面積も、大きく見える。
一方で、サイドポンツーンの開口部は少し小さくなり、エンジンカウルの膨らみも小さくなっているようだ。つまり、カウル内の気流の取り回しが、変更されている可能性があるだろう。
それ以上に驚きだったのは、フロントサスペンションのレイアウトである。
MCL39は、MCL38同様プルロッドである。しかしアッパーウィッシュボーン(上部の前後のサスペンションアーム)のうち後方のアームのモノコックへの取り付け位置が、ものすごく低い。前方から見ると、プッシュロッドが前後に2本存在しているようにも見えてしまうくらいだ。
アッパーウィッシュボーンの前後の高さを変え、後方のアームのモノコックへの取り付け位置を下げるのは、最近のトレンドである。これは、レッドブルが2022年型のRB18で採用したのが走りであり、車体前方が沈み込むのを防ぐ働き……アンチダイブを重視したレイアウトと言える。
マクラーレンもこのアンチダイブ型のレイアウトを、昨年型MCL38から採用したが、それをさらに過激に進化させてきたように見える。
MCL38では、アッパーウィッシュボーン後方アームのモノコックへの取り付け位置は、前方アームとロワウイッシュボーン(下側のアーム)のほぼ中間点にあった。しかしMCL39では、ロワウイッシュボーンとほぼ同じ位置まで下げられているように見える。
これが狙っていることは、まだ定かではない。アンチダイブ性能をより進歩させようとしているのか、あるいは空力効果を考えた施策なのか……真意はともあれ、MCL39はMCL38と非常に似てはいるものの、過激な処理を狙っているようである。
昨年、26年ぶりのコンストラクターズタイトルを獲得したマクラーレン。今季はそれを防衛することができるのか?
そして2月14日には、ウイリアムズの新車も発表される。F1の開幕が、刻一刻と近づいている。
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