
F1日本GPや鈴鹿8時間耐久ロードレースといった国際レースだけでなく、スーパーフォーミュラやスーパーGTなど国内最高峰レースも開催する三重県・鈴鹿市の鈴鹿サーキットは、多岐にわたる改修工事を行なっている。
1962年の開業以来、様々なドラマを生んできた鈴鹿サーキット。2007年から2009には施設の老朽化と近代化のため大改修が実施され、それ以降も度々改善が行なわれてきた。
そして鈴鹿サーキットは冬季営業中の1月6日から2月13日にかけて、東コースやピットロードの路面張替え工事を実施し、高いグリップと排水性、フラットさを両立。つなぎ目の関係で東ショートカットやシケインも再舗装を実施している。
また、路面張替え工事に合わせて、コース内の縁石やランオフエリアも改修が行なわれている。変更点は主に6ヵ所。まずターン2アウト側、ターン7(NIPPOコーナー/旧ダンロップコーナー)からターン8(デグナー1)にかけての左側、ターン14(スプーンカーブ後半)右側にあった緑色のバージアスファルト(エスケープゾーン)/芝生エリアがグラベルベッドに変更される。
ターン8と縁石の設置方法を統一し安全性を高めるため、ターン9(デグナー2)にはF1&MotoGPカタールGPなどを開催するルサイル・インターナショナル・サーキットなどでも使用される、低い縁石と高いピラミッド型縁石を組み合わせたダブル縁石が追加。塗料はFIM公認のノンスリップ塗料が使用された。
なおターン9の縁石外側の人工芝エリアはグラベルベッドに変更され、同様の改修がターン17(シケイン後半)右側にも施され、東ショートカット左側にある緑色の人工芝が芝生に変更された。
これらのコースに関する変更について、鈴鹿サーキットの広報は「FIA、FIMおよび各競技団体と協議し、レースレギュレーションの変化や時代の変化に合わせてレースを安全かつ円滑に開催出来るように安全対策工事を実施しております」とmotorsport.comの取材に対して語った。
鈴鹿サーキットはコースだけでなく、今回の改修工事に合わせてレースコントロールルームも大規模改装。コース内監視カメラ(CCTV)を一新し、コース内の監視可能範囲が大幅に向上。ズーム性能も向上し、コース内の路面状況や落下物などの早期発見が可能になるという。
観戦体験の向上を図るべく、鈴鹿サーキットは一部レースでパークやGPスクエアに近い子供連れファミリー専用席として最終コーナー付近に設置してきた「S席ファミリーシート」上段に、新たなグループ専用観戦エリア「S-BOX」を新設。店員や設備が異なる全4種類、計46区画のボックスシートが設けられる。
また鈴鹿サーキットは、コース全体が見渡せるピットビル3階の「ホスピタリティテラス」一部(No.2〜No.7)を居室化し、2階の「ホスピタリティラウンジ」同様に、室内で観戦が可能な「ホスピタリティクラブ」を6室設置する。
これ以外にも、2030年のカーボンニュートラル化を目指す取り組みの一環として、鈴鹿サーキットは正面駐車場P6に太陽光発電システムを装備したカーポートを設置。それに合わせて駐車場P6が全面再舗装を受けた。
鈴鹿サーキットでの走行が可能になるのは2月半ばとのこと。2月18日、19日にはスーパーフォーミュラの公式テスト、3月8日から3月9日にかけてはスーパーフォーミュラ第1戦・第2戦が開催され、4月4日から4月6日にかけてはF1日本GPが行なわれる。
なお、鈴鹿サーキットは2025年12月22日から2026年2月14日にかけて西コースの路面張替え工事も実施予定だ。
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