
2025年にMotoGP王座奪還を目指しているドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤだが、彼は今年も紳士を貫くと主張している。
バニャイヤは2024年にホルヘ・マルティン(当時プラマック)と激しいタイトル争いを繰り広げていたが、その最中にはチームマネージャーのダビデ・タルドッツィから「紳士でいるのはやめろ」と忠告を受ける場面があった。
タルドッツィがそう語っていたのは、タイGPのスプリントレース後。3番グリッドスタートのマルティンが、ポールスタートのバニャイヤに対してターン1でのブレーキング勝負に横並びで飛び込み、結果的にふたりともポジションを下げた。そしてそのコメントは、マルティンの果敢なオーバーテイクにバニャイヤが敗れ、タイトル争いの重要なポイントを失った場面を受けてのモノだ。
「ペッコ(バニャイヤの愛称)、マルティンには度胸があった。彼は君を殴り倒す度胸があったんだ」
タルドッツィはそう語っていた。
「彼はグリッドについたときから、そういったポジションをとっていたんだ。君を困らせると決めていて、そしてやるべきことをやったんだ」
「それこそが、君が明日(決勝で)やらなくちゃいけないことだ。常に紳士でいるなんてことはできるものじゃない。相手は君のケツを蹴っ飛ばしてきてるんだぞ。できっこない」
「彼は最初のコーナーで君を狙ってきた。君に向かって走ることを決めていたんだ。それは間違いないことだ」
「だから紳士でいるのはやめる必要がある。でないと相手はみんな、君のことを引き裂こうとしてくるんだぞ」
こうしたタルドッツィの言葉は、2025年に向けて更に重みを増している。新たなチームメイトは、6度のMotoGPクラス王者、あのマルク・マルケスだからだ。
マルケスの負けん気の強さは広く知られている上、2020年の大怪我から復活を果たし2024年にはグレシーニで再び優勝争いに加わってファクトリー昇格を勝ち取ったこの男は、2025年に7度目のタイトルを獲得することを熱望しているのは明らかだ。
そのようなライダーを相手に再び紳士的でいる余裕は無いようにも思えるが、バニャイヤはあくまでも自分を曲げるつもりはないという。
「僕は(マルケスのことを)紳士的ではないままにしておくつもりだ」
バニャイヤはMotoGPの公式Youtubeにそう語った。
「僕自身は紳士で居続ける。僕は常にそういう風にあったし、それが変わることはない」
とはいえバニャイヤも自分に改善が必要だと認めている。昨年、彼は11勝しつつもスプリントレースでのミスや不運が重なったことが、敗北につながった。
2025年には“新しいバニャイヤ”が登場するのか? そう尋ねられたバニャイヤは次のように語っている。
「結果を考えると、変えないほうがいいから、そうしないほうがいいね。いずれにしても僕は自分自身を改善し、少し前進していくだけだ」
またマルケスとふたり合わせて最高峰クラスのチャンピオン計8度と、まさに”ドリーム”な組み合わせとなることについては「とても興奮している」と語っている。
「僕らはそこからアドバンテージを得られると思う。マルクから色々学ぶことができると思うし、彼もチームには上手く適応してくれるだろう」
「テストの最初の部分では、一緒にバイクを良くして開幕戦に備えようとしていくだろう。そこからは、どうなるかね」
「僕達は毎回のレースで1位と2位を獲得できるポテンシャルがあると確信しているし、バイクもそうできるだけのモノがあるだろう。ライダーがそれを達成しようとすることが重要なんだ。誰もが勝つ可能性があるけど、ポテンシャルはある」
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