
妖しく輝くブラック&ゴールド……。F1界において最もアイコニックなカラーリングのひとつと言われるのが、たばこブランドのジョン・プレイヤー・スペシャル(JPS)のスポンサードを受けたチーム・ロータスのマシン群だ。
ロータスはF1において、マシンのカラーリングをナショナルカラーからスポンサーカラーにいち早く切り替えたチームとしても知られる。1960年代後半から、インペリアルタバコのブランド『ゴールドリーフ』の赤&金に身を包んでいたロータスのマシンだったが、1972年からブランドをJPSにスイッチ。光沢のある黒に金のラインが入った有名なカラーリングはここから始まった。
速いクルマは格好良く見えるとはよく言ったものだが、JPSロータスは見た目もさることながら速さでも印象的だった。1972年はロータス72を駆るエマーソン・フィッティパルディの手によっていきなりチャンピオンに輝き、その後もF1に“グラウンドエフェクト革命”を起こすロータス78など、JPSカラーの名車が次々生まれた。また日本のF2選手権でも、中嶋悟らがJPSカラーのマシンを走らせている。
一時期メインスポンサーがマルティニ等に変わったシーズンもあったが、ロータスとJPSのスポンサーシップは1986年まで続き、1987年からロータスはキャメルたばこのイエローにカラーリング変更した。JPSロータスはフィッティパルディ、マリオ・アンドレッティとふたりのドライバーがチャンピオンに輝き、他にもアイルトン・セナやナイジェル・マンセルと、後のワールドチャンピオンも複数輩出した。
この伝説的なカラーリングは、その後何度も“復活”を果たすことになった。JPSロータスを想起させるようなブラック&ゴールドのカラーリングを採用するチームがいくつか現れたのだ。代表的なのが2010年代のロータス(ロータス・ルノー)で、キミ・ライコネンのドライブで優勝も記録した。その他、2019年のハースF1や、スーパーフォーミュラのTEAM IMPUL(2021〜2022)もブラック&ゴールドのマシンで話題を集めた。
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