
KTMは2024年の暮れに経営危機が判明。現在は再建を目指しての動きが進められているが、F1のルイス・ハミルトンなども含んだ、各方面から投資を募っているようだ。
いわゆる民事再生の手続きに入っているKTM。彼らは多額の負債を抱えており、その債権者側と様々な交渉を行ない、再建を目指している最中だ。
当然、今のKTMは投資を必要としているが、各方面から興味を持たれていることを認めており、その中にはF1王者の世界最多タイ記録を持つルイス・ハミルトンの名前もあることが分かった。
Speedweekのインタビューに応じたKTMのピット・ベイラー(モータースポーツディレクター)が明かした。なおハミルトンはバイク好きとして知られていて、以前バレンティーノ・ロッシと自らのF1マシンとMotoGPマシンをスワップしたりもしていた。
またハミルトンは、2024年にはグレシーニ・レーシングの買収に興味を示したこともあった。グレシーニとの件は進まなかっただけに、KTMへの出資はハミルトンにとっても興味深いことだろう。なおハミルトンはマネージャーと共にKTM本社を訪れ、現在の状況を確認したという。
「私が言えるのは、彼らのマネジメント側と非常に興味深い話し合いを行なったということだ」
ベイラーはSpeedweekに対してそう語っている。
「ルイス・ハミルトンがMotoGPに興味を持っているというのは、公然の事実だ。そして彼は自らチームを所有することを考えていて、そこには具体的な話し合いがある」
なおハミルトンは2024年限りでメルセデスを離れ、2025年からフェラーリへ加入。それに伴いモンスターエナジーとのスポンサー関係が途切れ、フェラーリと提携するセルシウスのロゴを身に付けることになる。どちらも同業だが、KTMと緊密な関係にあるレッドブルの最も激しいライバルであるモンスターエナジーよりは、プラスになるとも考えられる。
さらにF1のオーナーであるリバティ・メディアによるMotoGPの買収が進められていることも、KTMにとってはプラスに働きそうだ。現在はEUによる独禁法の審査を受けているが、それらを通過してリバティ・メディアの傘下に収まれば、投資の継続性と確実性がより担保されることになる。
そして、買収を通じてMotoGP自体の価値が認識されることで、投資家からの興味も高まっているようだ。
「現在の状況は創造的で新しいことに対して開かれた姿勢となっているんだ。これまでのようにスポンサーに対してだけではなくて、投資家に対しても開かれた姿勢だ」
そうベイラーは語った。
「少し振り返ることになるが、リバティ・メディアは(MotoGP買収に)42億ドルのオファーを出していて、我々はこれが上手くいくことを期待している。ホンダ、ヤマハ、ドゥカティにアプリリア、そしてKTMの5つのメーカーが、これだけの高い価値を示しているんだ」
「MotoGPと他2クラス全てに多大な価値があることは明らかだ。そして、これが投資家の興味を惹いていて、彼らは我々のところへ訪れ、こういったMotoGPプロジェクトに投資ができるのかどうかを尋ねてきたんだ」
ADVERTISEMENT
ADVERTISEMENT