2024.12.11

角田裕毅と平川亮が”チャンピオンマシン”を走らせた……日本人ドライバーが”F1優勝”に近づいた1週間。しかし過去にもふたつのエピソード

Getty Images / Red Bull Content Pool

 角田裕毅が、F1のポストシーズンテストでレッドブルの最新マシン”RB20”をついに走らせた。このRB20は、今季マックス・フェルスタッペンがドライバーズチャンピオンに輝いたマシンである。またアブダビGPのFP1では、平川亮が直後にコンストラクターズチャンピオンに輝くことになるマクラーレンのMCL38をドライブ。日本人ドライバーが、立て続けに”チャンピオンマシン”に、しかも公式テストで乗ったわけだ。

 日本人ドライバーが、また一歩F1での優勝に近づいた年……2024年はそう位置付けられるかもしれない。

 過去の歴史を見ていくと、日本人ドライバーがチャンピオンマシンを、グランプリはもちろん本格的なテストで走らせたことはほとんどない。優勝に手が届くマシンという点でも、ほんの一握りである。

 1980年代後半には、中嶋悟や星野一義が日本国内でウイリアムズのFW10やFW11を走らせている。当時はまだテストに制限がなかった時代であり、彼らはホンダエンジンのプライベートテストを担当したという位置付けであった。また、中嶋がF1デビュー年の1987年に乗ったロータス99Tは、チームメイトのアイルトン・セナの手により2勝を挙げている。2003年の12月には、本山哲が同年のハンガリーGPでフェルナンド・アロンソが勝ったルノーR23を、スペインのヘレスで行なわれた合同テストで走らせている。

 ”優勝経験車”という範囲まで広げても、おそらくこれくらいである。佐藤琢磨が2004年に在籍したBARホンダはコンストラクターズランキング2位となったが、チームメイトのジェンソン・バトンも含め0勝。小林可夢偉がデビュー時にドライブしたトヨタTF109も、勝てるポテンシャルはありながら、ついぞ勝てなかったマシンだ。

 ただ、優勝を狙うことができるマシンで、日本人ドライバーが実戦で乗るチャンスも実はあった。しかも2回も。



■1991年、鈴木亜久里に訪れたチャンス

LAT Images


 ひとつは1991年の鈴木亜久里である。鈴木は1990年の日本GPで、日本人初の表彰台となる3位を獲得した。実はこの前に、あるチームと契約を交わしていたのだ。それがベネトンである。

 歓喜に沸いた日本GPの直前、鈴木はベネトンとの3年契約を締結した。しかし結局鈴木は、1991年もラルース/ローラのマシンを走らせた。実はラルースとも1991年の契約が結ばれており、二重契約となってしまっていたのだ。その結果、鈴木のベネトン入りは実現しなかった。

 1991年のベネトンは、ネルソン・ピケとロベルト・モレノがドライブ。カナダGPでピケが優勝した。またシーズン後半には、ミハエル・シューマッハーが加入し、その後のスター街道の礎となった。

■1995年、片山右京に訪れたチャンス

LAT Images


 一方、ベネトンからの誘いを断った人物もいる。それが片山右京だ。片山右京は1994年にティレルで大活躍。それがベネトンの目に留まり、オファーが舞い込んだ。しかしティレルもベネトンも、当時はJT(日本たばこ産業)のスポンサードを受けていたため、片山は返事を保留。ベネトン側は即決を求めていたため、この話は流れてしまった。片山は「シューマッハーと同じマシンで走って勝っても意味がないと思った」と、ベネトン入りのオファーを断った理由を説明していたこともあったが、近年のmotorsport.com日本版のインタビューでは「負け惜しみだった」と明かした。

 ただ1995年のベネトンといえば、シューマッハーがチャンピオンに輝き、片山の”代わり”にチームメイトを務めたジョーニー・ハーバートも2勝……日本人がF1優勝に最も近づいたのは、この時だったかもしれない。

 角田がレッドブルを、平川がマクラーレンを走らせた2024年。前述の通り、特に角田は、レッドブルの次期ドライバー候補のひとりとも言われている。最近では、今季後半に角田のチームメイトを務めたリアム・ローソンが最有力という報道が多いが……今週中にも発表されるというレッドブル/RBの2025年ドライバーラインアップに、大いに注目が集まる。

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出典: https://jp.motorsport.com/f1/news/F1-2024-japanese-drivers-drove-champion-cars/10681510/
この記事を書いた人 田中健一

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