
F1とスーパーGTの最終戦が行なわれている今週末、フォーミュラEのシーズン11(2024-25年)が開幕する。
開幕戦の舞台は真夏のサンパウロ。気温は30度を超えると予想されており、今年3月に行なわれた昨シーズンのレースと同様、ドライバーやチームは厳しいコンディションへの対応が求められる。
3月のサンパウロE-Prixでは、ドライバーたちはバッテリーからのエネルギーが最適な状態で供給されず、パフォーマンスが劇的に低下するディレーティングに悩まされた。この時、2位に終わったミッチ・エバンス(ジャガー)が最終ラップでサム・バード(マクラーレン)に勝利を奪われた原因も、このディレーティングだったようだ。
マセラティのジェイク・ヒューズは「僕たちはみんな、グリッドのどこもこれ(ディレーティング)に備えて来たと思う」と語った。
「昨年は正直、誰もが驚いたと思う。聞いたところによると、昨年は誰もそれを予期していなかったようだし、その場その場での対応に終始していたようだ」
「今、僕たちは今週末も同じような展開になる可能性があることを強く認識している」
「そうなると予想しているとまでは言わないけど、完全にレース前半のペース次第だと思う。昨年よりずっと速ければ、なんとかマネジメントできるだろう」
今季からマシンがGen3 Evoとなり、アタックモード時にはフロントアクスルのジェネレーターがモーターとして機能し、全輪駆動となる。チームやドライバーにとっては、より戦略的な意味合いが強くなり、レース後半にアタックモードが使われる可能性がある。
しかしロビン・フラインス(エンヴィジョン・レーシング)は、サンパウロE-Prixで予定よりも早い段階で使用せざるを得なくなるかもしれないと考えている。
「タイヤについては、まだ高温のコンディションで走ったことがないので何とも言えないが、バッテリーには限界があるのは確かだ」とフラインスは言う。
「だから最後にアタックモードを使ったとしても、何の違いも生めないかもしれない」
フラインスのチームメイトであるセバスチャン・ブエミもまた、レース終盤までに2回合計8分間のアタックモード走行が完了できなかった場合、問題が発生する可能性があることを示唆した。
「もし、セーフティカーがかなり遅いタイミングで入り、みんなが団子状態になってしまったとしても、まだアタックモードが使えるのであれば、それはゲームチェンジャーとなり、多くのライバルをパスすることができるだろう」とブエミは言う。
「しかしアタックモードを長く残しておくと、レース終了までにアタックモードを終えることができず失格になってしまう」
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