
F1アメリカGPを制したのは、フェラーリのシャルル・ルクレールだった。しかもチームメイトであるカルロス・サインツJr.も2位に入り、跳ね馬1-2。タイトル争いの本命候補であるレッドブルとマクラーレンを、真っ向勝負で下した。
この勝利についてルクレールは、これまで行なってきた開発の効果が発揮されたと指摘。一時は苦しめられたバウンシングの問題も、今や解決していると明かした。
ルクレールはアメリカGP決勝レースのスタート直後、首位を争うレッドブルのマックス・フェルスタッペンとマクラーレンのランド・ノリスの一瞬の隙を突き、先頭に浮上。その後はピットストップのタイミング以外は首位を明け渡すことなく、完勝。今季3勝目を挙げた。
ルクレール曰く、これまで投入してきたアップデートの効果が発揮されたという。そして、バウンシングの問題も解決できたと、改めて語った。
今季のフェラーリは、フェルスタッペンの自滅(ブレーキトラブルによるリタイア)により、オーストラリアGPでカルロス・サインツJr.が初優勝を遂げた。その後、モナコでもルクレールが勝利をしたものの、スペインGPでアップデート版のフロアを投入した後はバウンシングに苦しみ、厳しい戦いを強いられることになった。
しかし徐々に復活の兆しを見せ、ルクレールの手により母国イタリアGPで優勝。アゼルバイジャンGPでもマクラーレンのオスカー・ピアストリと激しい優勝争いを繰り広げ、2位となった。サインツJr.もアメリカで2位だ。
「モンツァ、バクー、シンガポールと2〜3戦前から、僕らはいくつかのアップデートを持ち込んだ。オースティンが、このアップデートの真の意味でのテストになるだろうと常に言ってきたんだ。それは順調に機能しているみたいだ」
ルクレールはアメリカGPの決勝レース後、FIAの公式会見でルクレールはそう語った。
「これは将来にとってとてもポジティブなことだ。毎週今日みたいな日曜日になるという意味ではないけど、正しい方向に進んでいるのは間違いない」
「チーム間の差は非常に小さいから、大きな違いを生むこともある。だから、今後数レースで、僕らがどこにいるのかを予想するのはとても難しい」
「でも今回の結果はポジティブなことしかないよ。こういう結果をもっと頻繁に達成できることを願っている」
「5〜6レース前は、少しバウンシングに苦労していた。でも、もう問題はないみたいだ。だから間違いなく、再び正しい方向に進み始めている」
今回1-2フィニッシュを決めたことで、フェラーリはコンストラクターズランキング首位のマクラーレンに48ポイント差、レッドブルに8ポイント差まで迫った。残り5戦の結果次第では、タイトル獲得の可能性も十分にあると言えよう。
「コンストラクターズタイトル獲得を目標にしなければいけない。楽観的な目標かもしれないけど、僕らはそれを目指すためにここにいるんだ」
そうルクレールは言う。
「計算は、シーズンが終わった時にするよ。それまでは今週のように、自分たちのパフォーマンスに集中するのが最善だと思う。チームにとってもコンストラクターズタイトルを目指す上でも、本当に良い週末だった」
ルクレールは、簡単なことではないとしながらも、ドライバーズタイトル獲得も諦めたわけではないと語る。ちなみに首位フェルスタッペンとは79ポイント、2番手ノリスとは22ポイントの差である。
「絶対にないとは言えない」
そうルクレールは語った。
「コンストラクターズタイトルに関しては、シーズン最後まで全てを完璧にこなせば、マクラーレンが何をしてもタイトルを目指すことができると思う。でも、ドライバーズタイトルに関しては、少し違った見方をしているんだ」
「全てを完璧にこなしたとしても、タイトルを獲得するためには運も必要だと感じている」
「ドライバーズタイトルを獲得できる可能性はかなり低いと思う。数字的に不可能になるまでは諦めるつもりはないけど、でもコンストラクターズタイトルよりは難しいだろうね」