
メルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショブリンは、ルイス・ハミルトンがいかに現行世代のF1マシンの適応に苦労してきたかを説明した。
7度のF1王者であるハミルトン。2022年のレギュレーション変更以降は長く未勝利期間が続いたが、先日のイギリスGPで2021年サウジアラビアGP以来945日ぶりの勝利を挙げた。
メルセデスは2022年のレギュレーション変更から、ポーパシングやバウンシング、パフォーマンスの問題に悩まされており、ハミルトンは不満を訴えていることが多く、チームメイトのジョージ・ラッセルの後塵を拝するシーンも多かった。
しかしショブリンは、チームとともにハミルトンが転換点を迎えたと考えている。
「ジョージはいつも予選で非常に高いハードルを設定してきた。F1に参戦してすぐの頃から、彼は印象的だった。ウイリアムズのときでさえ、彼はかなり印象的な予選セッションをこなしていた」とショブリンは言う。
「ルイスは土曜日がタフな日だという事実を隠していない。彼はこの世代のマシンが自分のスタイルに合わないことに苦戦している」
「彼は、どうマシンをドライブするかというところに取り組んでいる。だがマシンをもっと速くし、ドライバーがアタックできるようなハンドリングバランスにするために膨大な作業を行なってきた。それでも十分な速さではなかった」
「我々は進歩している。最近、ジョージは予選でルイスをかろうじて上回っている。ルイス(の速さ)が戻ってきたことはチームにとって素晴らしいことだし、彼はさらにプッシュしていくだろう。でも、我々はそれに取り組み続けるし、ルイスのポールポジションもまた見られると確信している」
ハミルトンがどのような面で苦労しているのか質問されたショブリンは「特にシングルラップで苦労している」と答えた。
「彼のロングランペースは常に良い。それがとても有益だ。彼はよりコーナーを攻めたいと考えているんだ。それをするとクルマがオーバーステアに傾き、タイヤの温度が上がり始める」
「だから我々の仕事のほとんどは、攻めたスタイルで走れるクルマを彼に与え、ラップタイムを引き出せるようにすることだ。彼が不意を突かれたり、途中で感触が変わったりすることなくね」