
アストンマーティンは、2025年の世界耐久選手権(WEC)とIMSAスポーツカー選手権の最高峰クラスデビューに向けて、ヴァルキリーAMR-LMH(ル・マン・ハイパーカー)で初テストを行なった。
一時頓挫していたヴァルキリーのLMHプロジェクトだったが、1月にシルバーストンにあるAMRテクノロジー・キャンパスで行なわれたプレゼンテーションで再始動が宣言。前計画の“遺産”とも言えるヴァルキリーAMR Proを使用して初期システムテストを実施した。
そしてアストンマーティンは第2四半期を目処にシェイクダウンをするとしていたが、今回“ホーム”とも言えるシルバーストンでヴァルキリーLMHが初めて走行する姿が目撃された。
もちろん、テスト車両にはボディ形状を目立たなくさせるよう、ホワイト、ブラック、グリーンのカモフラージュカラーが施されたが、アストンマーティンのワークスチームでありイギリス・ブラックリーに新拠点を構えるハート・オブ・レーシング(HoR)のロゴはマシン全体に掲出された。
アストンマーティンの耐久モータースポーツ主任であるアダム・カーターは以前、ヨーロッパで一定の走行距離を稼いだ後、アメリカでもテストを実施すると以前明かしていた。
「まずはヨーロッパで1台のテストカーに集中し、走行距離が一定の基準を超えたら、テストカーをアメリカとヨーロッパに1台ずつ投入する予定だ」
ヴァルキリーAMR-LMHは、HoRのサービスプロバイダーであるマルチマティック社との共同開発。コスワース製の6.5リッター自然吸気V12エンジンを搭載する一方で、ハイブリッドシステムは搭載されない。
来季からWECハイパーカークラスでは、各メーカーとも2台体制での参戦が義務付けられることを主催者のFIAとACO(西フランス自動車クラブ)が認めており、アストンマーティンも参戦初年度からこのレギュレーションに従い、マシンを用意する必要がある。
しかしカーターは、HoRが2台のヴァルキリーLMHをWECに投入することを認め、それがIMSAプログラムに影響を与えることはないと指摘した。
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