2024.7.10

【MotoGP】ドゥカティで輝き取り戻す日近い? モルビデリ、ドイツGPでの5位に自信深める「求めていたポジティブな週末」

Gold and Goose / Motorsport Images

 プラマックのフランコ・モルビデリは、MotoGP第9戦ドイツGPの決勝レースで5位となった。このリザルトは、モルビデリにとっては重要なモノだったようだ。

 ドイツGPでのモルビデリは、レース序盤から表彰台をかけて争った。しかしレース後半になるとライバルに追い抜かれてしまい、最終的に5位でのフィニッシュとなった。2020年には3勝を挙げ、ランキング2位となったモルビデリにとって、この5位という成績は特に輝かしいモノではないように見える。しかしモルビデリは、「求めていたポジティブな週末」だったと語る。

 モルビデリは、前述の通りペトロナス・ヤマハに在籍していた2020年に、ランキング2位となった。その後2021年のシーズン途中にヤマハのファクトリーチームに移籍し、昨年まで所属し続けたが、成績は低迷。2023年は、僚友のファビオ・クアルタラロに70ポイントもの差をつけられただけでなく、ヤマハのファクトリーチーム時代は一度も表彰台を獲得できなかった。

 そして2024年シーズンからはドゥカティ陣営のプラマックに移籍。そこでファクトリー仕様のマシンを手にしたが、ヤマハ時代の低調なパフォーマンスを考えると、それに値するのかどうか、疑問視する声もあった。

 しかもモルビデリは、トレーニング中に転倒したことで、プレシーズンテストに参加できなかった。メーカーをまたいで移籍した彼にとって、これはバイクに適応する上で大きな痛手となってしまい、目立つような結果をなかなか残せずにいた。それだけに、ドイツで表彰台を争い、最終的に5位となったことが、彼にとっては重要なモノになったと言える。

「しばらく見えていなかった僕の姿だ。それが戻ってきて嬉しいよ」と、ドイツGPを終えたモルビデリは語った。



「表彰台に近づいてきたけど、今回はもう少しだった。ある瞬間は、勝たないと! とも思ったんだ。だから良かったよ。僕らみんなが求めていたポジティブな週末だった」

「バルセロナ以来、表彰台に手が届くと感じられたレースが3戦続いていた。まだ表彰台は手にできていないけど、このまま頑張っていくよ。僕にはそれができる」

「アッセンではトップ5争いから脱落したけど、あれはコースが僕らにとって難しかったからだ。でも、バルセロナから僕はできるんだという感覚を持てている。後半戦で表彰台を獲得できなければ、僕は何かを欠いているということだけど、努力して追いかけていくつもりだ」

 なおドイツGPの5位という結果は、昨年のアルゼンチンGPでの4位に次ぐ好結果だ。2023年はその他の度のレースではトップ6を記録できていなかったことを考えれば、確かに今回の結果は待ち望んでいたものだろう。そして最近の調子からすると、モルビデリは後半戦で2021年スペインGP以来となる表彰台を獲得する可能性が十分にある。それを本人も感じられているようだ。

「こうして攻めるポジションにいられるのは、素晴らしい感覚だ」

「昨年や一昨年もこの位置にまで来たことはあった。でもその時はいずれも守りのモードだったんだ。でも今日は攻めのモードだった。より自分のスタイルで戦えていて、素晴らしいんだ」

 モルビデリは今回の5位で、VR46のマルコ・ベッツェッキを抜いてランキング11番手に浮上。このベッツェッキは来季アプリリアに移籍することが決まっており、その後任としてモルビデリがVR46に加入する可能性がある。VR46のオーナーであるバレンティーノ・ロッシは、モルビデリの師匠とも言える存在だ。

 そのVR46のシートを掴むためにも、シーズン後半のモルビデリには、同じドゥカティのファクトリーマシンを駆る他の3人のライダーを上回る成績が求められることになるだろう。ちなみにプラマックは来季から、ヤマハのマシンを使うことになる。

出典: https://jp.motorsport.com/motogp/news/has-morbidelli-found-his-motogp-mojo-again-after-years-of-struggles-at-yamaha/10633503/
この記事を書いた人 Rachit Thukral

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