
ロードレース世界選手権MotoGPで8度チャンピオンに輝いているマルク・マルケス(グレシーニ)だが、彼は今のMotoGPの性質では、ライダーが長期的なキャリアを築くことは難しいと語った。
MotoGPでは5月にアプリリアのアレイシ・エスパルガロが、2024年シーズン限りでの現役引退を表明した。14年以上にわたるMotoGPクラスでのキャリアを築いてきた、ベテランの引退だ。
そしてエスパルガロの引退によって、MotoGPクラスの最も長いキャリアを持つ人物は、マルク・マルケスとなる。最高峰クラス6度のチャンピオンは来年でクラス13年目を迎える。
そんなマルケスは、今のライダー達がエスパルガロのように長期のキャリアを築くことは、難しくなっていると考えている。
エスパルガロと同じくらい長いキャリアをライダー達が築くことを期待できるかと訊かれたマルケスは、こう答えた。
「僕としては、それはチームにとっても非常に難しいことだと思っている」
そしてマルケスは次のように続けた。
「なぜか? それは近年、結局はライダーが違いを生んでいるからだ」
「ただそれはかなりマシンへの依存が大きくて、ライダーの水準も非常に均質なように見える」
「ラップタイムをチェックしてみれば、ほとんどのライダーがMotoGPにふさわしいのが分かるだろう」
「だけどそこで、Moto2からも非常にプッシュしてくるライダーがいるんだ」
「そのために、長いキャリアを築くのは難しい。よく言われる言い方でなら、『到達するのは難しくないけど、レベルをキープするのは難しい』ということだ」
なおマルケスは2025年に32歳を迎える。キャリア的には既に大ベテランと言えるが、MotoGPではバレンティーノ・ロッシが42歳まで現役を続けていたため、理論上はあと10年間やれるかもしれない。
なおそんなロッシは2021年で引退。最後の優勝は2017年のオランダGPとなっている。
マルケスも2021年以来優勝からは遠ざかってしまっている。しかしホンダからドゥカティ陣営に移籍した今シーズンからは復活。まだ優勝はないものの、トップ争いの常連となりつつある。
そして2025年から、マルケスは2年契約でドゥカティファクトリーチームへ昇格することが決定している。ここで結果を残せば、マルケスのキャリアはさらに延長されるかもしれない。