
現在キック・ザウバーに所属するバルテリ・ボッタスは、現時点で2025年のF1シートが確定していないものの、グリッドに残ることができると考えている。
来季に向けたドライバー市場は現在、フェラーリ放出が決まっているカルロス・サインツJr.の選択に大きく左右されることになりそうだ。サインツJr.が2026年からアウディワークスとなるザウバーを選ぶのか、それともウイリアムズを選ぶかで、現在のザウバードライバーであるボッタスと周冠宇だけでなく、来季の契約がないドライバー複数人にも影響を与えているのだ。
既にザウバーには来季からニコ・ヒュルケンベルグが加入することが決まっており、ボッタスも周はザウバーに残留できるとは考えられていない。ただボッタスに関しては、ザウバーのアンドレアス・ザイドルCEOがメインターゲットであるサインツJr.を獲得できなかった場合、チームに留まる可能性は残されている。
ウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表もサインツJr.に対して猛アプローチしており、こちらでもボッタスはバックアップオプションとして考えられている。そしてボッタスはアルピーヌやハースとも話し合いを行なっている。
ただ、契約交渉が長引き、前述のチームのいくつかが次なる動きを見せようとする中、ボッタスは待ち続けて最良の選択肢を完全に逃すよりも、早急に行動を起こす必要があることを悟っている。
「早く選択する必要があると思う」とボッタスはカナダGPの際に認めた。
「僕の方ではまだ何もサインしていないけど、あらゆる選択肢を考えている最中だし、すぐに決断する必要がある」
「(アウディは)長い間待ってくれる。だけど、いつまでも待っている訳にはいかない。このチームも選択肢のひとつであることは間違いないけど、あまり長く待っている時間は僕にはないと思うから、だからこそ状況を加速させたいんだ」
motorsport.comが、このままシートが無い状況に追い込まれる可能性はあるかと尋ねられたボッタスは次のように答えた。
「シートを得られる自信はあるけど、このスポーツでは何もかもが確実じゃない。サインするまでは100%にはならない」
しかしボッタスは、ルイス・ハミルトンのチームメイトとしてメルセデスで単年契約を続けてきたことで、不確実な状況に対処しやすくなったと語った。
「慣れるモノだよ」とボッタスは言う。
「もちろん、何が起こっているのかわかっている方が、より快適な感覚になるけど、それと同時に、何か新しいエキサイティングなことが起こるかもしれないという要素もある」
「あるチームへの移籍が決まった過去の自分を見れば、今はまだシーズン序盤だ。だから8月のサマーブレイク前に色々なことができれば、それは良いことだよ」
一方、周も来季のシートを見つけることができると考えており、ボッタスともハースやアルピーヌのシートを争っている。
「まだシートは全て空いていると思う」と周は言う。
「僕の将来について話し合っているところだけど、まだ何も確定していない」
「今後、このグリッドに僕のポジションがあるはずなんだけど、それがどこになるのか分からないんだ」
「リザーブとか1年離れるのは嫌だ。F1は1年休むと復帰が難しいからね」