
F1第9戦カナダGPでポールポジションを獲得したのは、メルセデスのジョージ・ラッセルだった。レッドブルのマックス・フェルスタッペンと同タイムで手にした今季初のポールだが、これにはチームメイトのルイス・ハミルトンがフリー走行で見せていた速さが貢献していた。
ハミルトンは、予選直前に行なわれたフリー走行3回目で、2番手のフェルスタッペン以下に0.374秒という大差をつけてトップタイムをマーク。3番手のラッセルも、ハミルトンにはコンマ4秒以上及ばなかった。
その圧倒的な速さは、ラッセルがハミルトンの走りを深く分析することに繋がった。データをくまなく調べたラッセルは、これが予選でのパフォーマンスに役立ったと語った。
「予選を前にそこから引き出すことができて本当に良かった。僕たちがやってきたハードワークが報われた気がしているし、マシンのフィーリングは最高だった」
メルセデスにとっては、昨年のハンガリーGP以来となるポールポジション。ラッセルにとっても一昨年のハンガリー以来のポール獲得となった。これは今回新たなフロントウイングを投入し、高速コーナーと低速コーナーのバランスが改善したことも一因と言えるだろう。
ラッセルは現行のグラウンドエフェクトカーになって以降、なかなか進歩が見られなかったメルセデスにとっても大いに励みになったと認めた。
「とてもうれしいよ」とラッセルは言う。
「この感覚を味わうのは久しぶりだ。ブラックリーやブリックスワースの拠点では、舞台裏で多くのハードワークが行なわれていて、(トップ集団での)戦いに戻ることができるのは本当に久しぶりだった。これまではハードワークが報われていないような気がしたんだ」
彼はさらにこう続ける。
「以前はアンダーステアにかなり苦しんでいたと思うけど、昨年はオーバーステアが多かった。だから昨年と今年の中間を見つけようとしていたんだ。今はそのスイートスポットを探っている感じだ」
「正直なところ、それは長い間ずっと言い続けてきたことだと思うけど、それにしても今回ポールポジションにつながったことにはホッとしているんだ」
ラッセルがトップタイムを記録した後、それと全くの同タイムをマークしたフェルスタッペンは、規則により先にタイムを出したラッセルにポールを譲る形となった。ただ予選の序盤からハミルトンを含めたメルセデス勢の速さは際立っていたため、2番手という結果でも悲観することはないと感じているという。
「おそらくQ3はメルセデスとしては一番苦しんだセッションだった」とフェルスタッペン。
「だから全く同じラップタイムで走れたのは素晴らしいことだ」
「今思えば、彼らの純粋なペースを見れば僕は2番手で当然だと思う。なぜなら、Q2で彼らのラップタイムを見て、あんなタイムが出せるわけないと思ったからだ」
「もちろん、その間に少し雨が降ったり止んだりしたけれど、全体的に見れば僕らの方が色々問題があって、ちょっと厄介な週末になっていたと思う」
「もちろん僕たちもマシンのベストなバランスを見つけようとした。予選ではまずまずのバランスが取れたと思うし、僕自身も満足している。とにかくトラブルなくクリーンな週末を過ごすことができれば、少しでもプラスになると思っている」