
ハースの小松礼雄代表は、F1エミリア・ロマーニャGP決勝で、同チームのニコ・ヒュルケンベルグかケビン・マグヌッセンのどちらかが、本来ならば入賞できたはずだと悔やんだ。
ハースはF1エミリア・ロマーニャGPの決勝レースを、ヒュルケンベルグ11位、マグヌッセン12位と、入賞まであと一歩というところで終わった。この結果について小松代表は、本来ならば入賞を目指せたはずだと語る。
まずはマグヌッセンのケースだ。マグヌッセンは、予選で他車に妨害されてしまった影響で、18番手から決勝レースをスタート。第一スティントをミディアムタイヤで走った。
そのミディアムタイヤで実に37周を走破し、ハードタイヤを装着。この戦略は、9位入賞を果たしたランス・ストロール(アストンマーティン)と全く同じモノだった。
そのハードタイヤを履いた後は猛烈に追い上げ、RBのダニエル・リカルドを抜いて12位。ただ、それが精一杯だった。
「ケビンは本当に素晴らしいレースをしてくれました。特にマイアミ(ペナルティポイントを多く科された)の後、クリーンで良いレースをしたと思います」
小松代表はマグヌッセンのレースについてそう評価するが、第1スティントを引き延ばしすぎたと悔やむ。
「彼には、ピットストップのタイミングをうまくやっていれば、10位に入ってポイントを獲得する、十分なチャンスがあったと思っています。ピットストップ自体も良くなかったですが、ピットに入れるのをあそこまで遅らせるという部分で、リスクを冒しすぎてしまったと思っています。悔しいです」
「でもポジティブなことは、ケビンが非常にうまくドライブしてくれたこと、ポイントに値するドライブをしてくれたということです」
一方ヒュルケンベルグは、1回目のピットストップでRBの角田裕毅に反応せず、ミディアムタイヤでの走行距離を伸ばすべきだったと悔やむ。
ヒュルケンベルグは抜群のスタートを決め、1周目に角田の前に出た。その後は角田を抑え続けることになった。ペース自体は角田の方が優れていたが、直線スピードではヒュルケンベルグに軍配が上がっていたため、角田はどうしてもオーバーテイクを成功させることができなかった。
この状況を打破するため、RBは予定より早い段階で角田をピットに呼び込み、ヒュルケンベルグをアンダーカットすることを狙った。ハースもこれに反応し翌周ヒュルケンベルグをピットに呼び込んだが、コースに復帰した時には角田の方が前。その後角田を追ったが、徐々に引き離され、11位でレースを終えることになった。
この角田に反応するという判断が悔やまれると、小松代表は言う。
「ニコは、我々の直近のライバルであるRBのふたりと戦っていたから、少し難しかったです」
「彼は良いレースを見せました。ただ、ハードタイヤのデグラデーションが大きかったということを考えると、あれほど早い段階でピットインするのは、簡単なことではありませんでした。後から考えれば、そこで何か違うことをすべきだったかもしれません」
ハースはここまでの7戦で7ポイントを獲得し、ランキング7番手につけている。そして入賞できなかったレースでも、入賞に近い部分を走った。そのことには大いに励まされていると小松代表は言う。
「全体的に見て、ここまで7レースを戦い、どのレースでもポイントを獲得できる寸前にいたことは、非常にポジティブなことです」
「この成長には励まされています。モナコで次のチャンスに挑むのを、楽しみにしています」