
F1マイアミGPのスプリントレースでは、ケビン・マグヌッセン(ハース)のドライビングが話題となった。複数回をペナルティを受けたマグヌッセンの振る舞いについて、マイアミGPのスチュワードは報告書で見解を発表した。
スプリントの中で、ポイント獲得を巡ってルイス・ハミルトン(メルセデス)と激しいバトルを繰り広げた。ただマグヌッセンはコース外を走ってアドバンテージを得たとして、合計3つものペナルティを受けてしまった。
タイムペナルティで順位が下がることが決まったマグヌッセンは、前を走るチームメイト、ニコ・ヒュルケンベルグの入賞をアシストするためになりふり構わず防御に徹した。こういった戦術は、サウジアラビアGPでも見られたものだ。
スプリントを終えたマグヌッセンは『Sky Sports F1』に対し、受けたペナルティは全て妥当なものだとして、次のように語った。
「それ(ペナルティを受けたこと)で僕はああいった愚かな戦術を使い始めた。ああいうのは好きじゃないけど、結局のところ僕はチームプレイヤーとしてそれをしたんだ」
10秒のタイムペナルティを3回(さらにトラックリミット違反による5秒ペナルティ1回)も受けたマグヌッセンはスチュワードに呼び出され、一連の動きがスポーツマンシップに反する行為かどうかを判断するために聞き取りがなされた。
スチュワードの報告書には、こう記されている。
「当該ドライバー(マグヌッセン)は、44号車(ハミルトン)に対してあのような形でレースをする権利があると考えており、ポジション争いをしている間起きた違反に対して科されるペナルティも受け入れる意思があると、率直に説明した」
「彼はまた、先行するマシンに対してのギャップを広げるということは、完全にルールの範囲内であると認識しており、ドライバーがレース中にチームメイトをアシストしようとすることは珍しいことではないと考えている」
「彼は自らがしたことが間違っていたり、スポーツマンシップに反するものだとは一切考えていなかった」
「彼はスチュワードが通常、こういった違反を繰り返したとしてもペナルティの重さを変えることはないと強調していた」
スチュワードは、マグヌッセンがスポーツマンシップに反すると言えるような振る舞いを意図的にしたという明確な証拠がないことに加え、スポーツマンシップに反する行為を判断する上での基準が高いということもあって、マグヌッセンに対してこれ以上の処分は必要ないと結論付けた。
しかしながら報告書の中では、スチュワードはマグヌッセンのドライビングの仕方について「同意できない」と指摘している。
また、マグヌッセンが違反行為を繰り返しているという状況を鑑みてスチュワードは、今後同様の行為を働いたドライバーへの罰則を厳しくするようなレギュレーションに調整するよう、協議することを示唆した。
報告書にはこう綴られている。
「スチュワードは今後、特に違反が繰り返されるような場合、今回見られたようなシナリオを阻止するため、それぞれの違反に科されるペナルティを増やすことを検討する必要がある」
「この点については、FIAやスチュワードたちで話し合いをするつもりだ」
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