2024.5.2

アンドレッティ&GMのF1参入拒否に、アメリカ国会議員が動く「競争原理を阻止する行為に対する懸念を表明」

Alexander Trienitz / Motorsport Images

 今年の1月、F1の商業権所有者であるフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)は、F1の規則面を統括するFIAが承認したにも関わらず、2025年からアンドレッティがF1に参入することを拒否する決定を下した。

 これについて、アンドレッティ家の家長であり、1978年のF1ワールチャンピオンであるマリオ・アンドレッティが、今週はじめにアメリカの国会議事堂を訪問。超党派の国会議員と会談した。これを受けて国会議員らは、FOMの親会社であるリバティメディアのグレッグ・マフェイCEOに宛てた書簡を送り、アンドレッティのF1参入を拒否した理由を説明するように求めた。

 アンドレッティは、アメリカの巨大自動車メーカーであるゼネラル・モーターズ(GM)傘下のブランドであるキャデラックをパートナーとして、2025年からF1に参入することを目指していた。準備は順調に進んでいるように見え、FIAもこの参入計画を承認。しかしFOMは今年の1月、アンドレッティのF1参入を拒否することを決定した。

 当時FOMは、アンドレッティのF1参入を拒否した理由について、以下のように声明を発表した。

「我々の評価プロセスでは、11番目のチームの存在それ自体では、チャンピオンシップに価値をもたらさないことが判明した。新規参入者が価値をもたらす最も重要な方法は、競争力を持つことだ。我々は、申請者が競争に参加できるような存在であるとは信じていない」

 そしてFOMは声明の中で、新しいチームをグリッドに追加することは、現在のレースプロモーターに不必要な経済的負担を与えることになると感じたとも付け加えた。

 FOMが参入を認めない旨を表明した後も、アンドレッティはF1参入に向けた準備を進めており、スタッフの採用なども開始。またGMも協力体制を構築しており、マシン開発の様子なども公開されている。

 チームオーナーであるマイケル・アンドレッティの父親であり、F1王者経験者でもあるマリオ・アンドレッティとの面会を受けて議員団がリバティのマフェイCEOに送った書簡には次のように記されている。

「アンドレッティ・グローバルとGMというアメリカの2つの会社が、F1をプロデュースし参戦することを妨げる可能性がある、明らかな競争原理を阻止する行為に対する懸念を表明するため、この書簡をお送りする」

「この決断は、ヨーロッパに拠点を置く現在のF1レースチームのラインアップによって推進されているようだが、その多くはGMのようなアメリカの自動車会社と直接競合する外国の自動車メーカーと提携している。アメリカ企業のF1への参加を阻止しようとするのは不公平で間違ったことであり、アメリカの独占禁止法に違反する可能性もある」

「アメリカのチームを含む全てのF1チームの参加は、現在のレースチームのラインアップを守るために限定されるものではなく、実力に基づいて行なわれるべきである。これはフロリダ州マイアミ、テキサス州オースティン、そしてネバダ州ラスベガスで行なわれる3つのグランプリイベントを含め、アメリカにおけるF1の存在感が高まっていることを考慮すればなおさらである」

 この動きを受けてアンドレッティ・グローバルは、F1の承認を得て、2026年に参戦を開始することを目標すると、SNSの投稿で強調した。

「我々は、この反競争的な行為に反対する、超党派の国会議員の支援に感謝している」

 アンドレッティはそう声明を出した。

「我々は、アメリカ初のワークスチーム、パワーユニットをF1に参入させ、アメリカのファンに応援することができる”ホームチーム”を提供することに、今後も全力で取り組んでいく」

「この問題が速やかに解決され、アンドレッティ・キャデラックが2026年にF1のグリッド上で正式に承認されたポジションを獲得できることを願っている」

「我々の仕事は、順調に進んでいる」

出典: https://jp.motorsport.com/f1/news/us-congress-members-demand-answers-from-liberty-over-andretti-f1-block/10605546/
この記事を書いた人 Charles Bradley

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