2024年から、アメリカのNASCARシリーズで活躍してきたトラックハウス・レーシングがRNFを引き継ぐ形でMotoGPに参入した。新たにMotoGPとの繋がりを持つことになったNASCARのドライバー達は、MotoGPとNASCARのクロスオーバーイベントが双方にとって利益になると考えている。
4月12日からオースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されているMotoGPアメリカズGP。トラックハウスのNASCARドライバーであるダニエル・スアレスとロス・チャスティンらが現地を訪れた。
さらに今週末、昨年のル・マン24時間レースにガレージ56枠で出場したことで知られるヘンドリック・モータースポーツのシボレー・カマロ ZL1のデモンストレーションランを、ジョーダン・テイラーが行なうなど、NASCARとの交流が盛んに行なわれている。
トラックハウスの参入によってNASCARとの接点がより大きなモノになったMotoGP。将来的にNASCARとMotoGPがクロスオーバーイベントを開催することを期待しているかとチャスティンに問うと、彼は次のように答えた。
「ここにはチームメイトがいるからね。今はMotoGPが僕にとってそう(仲間)なんだ」とチャスティンは言う。
「以前所属していたチップ・ガナッシ・レーシングでは、インディカーとのデュアルウィークエンドの度に、彼らに会いに行っていた」
「アレックス・パロウと一緒に過ごしたし、彼は2回シリーズを制することになった。でも今はトラックハウスにいるから、インディーカーとは何も繋がりがないんだ」
「今、僕らはMotoGPでトラックハウスと関係を深めているし、彼らをフォローしてコミュニケーションをとり、互いに交流することにワクワクしている。たとえ違う世界だとしても、僕たちは同じチームなんだ。だから僕はMotoGPがいいね」
そしてMotoGPとNASCARの併催は可能と思うかと尋ねられた際には、MotoGP次第だろうと答えた。
「そうだと良いね。でもラバーがどうなるかとかはわからないからね……それに僕たちはレース後に多くのデブリ……フェンダーなんかを残してしまうからね! 僕らはフェンダーをぶつけて壊して、パーツが落ちてしまう傾向があるんだ」
「それで競えるかどうかはMotoGP側が決めることになるだろう。プラクティスでトラックがとても綺麗なことには気がついた。僕らがここCOTAを走っているときなんて、どこもダートみたいで、特にターン8なんかは凄い。どこでもコースアウトしているんだからね!」
MotoGPとアメリカの結びつきという点では、先日アメリカのリバティ・メディアが買収計画を発表している。
スアレスはMotoGPとNASCARが協力することで、MotoGPはアメリカにおける人気を、NASCARは世界への露出を得られ、Win-Winの関係になれるはずだと語った。
「僕もしばらくMotoGPを見てきたけど、最近まではあんまり詳しいわけじゃなかったんだ」とスアレスは言う。
「もちろん、アメリカは巨大なマーケットで、それは誰もが知っていることだ。だからクロスオーバーイベントは素晴らしいだろうね」
「NASCAR、そしてMotoGPにとって上手くいくと思う。ここにはたくさんのファンがいて、非常に情熱的だ。そして、この人達はNASCARを見ていないのかもしれない」
「特にMotoGPのグローバルさを考えると、両方のシリーズにとってWin-Winになると思う。NASCARはアメリカでとても、とても人気があるけれど、ワールドワイドに成長をし続けることを必要としている。その一方でMotoGPは、世界的に大きな存在だけど、アメリカでの成長を求めている」
「ふたつのシリーズにとって素晴らしいことになると思う。だからこそWin-Winなんだ」