2024.3.15

RB、レッドブルF1と関係強化も2024年マシンは「RB19に最も似てない部類」チーム間IP共有の懸念を一蹴

Zak Mauger / Motorsport Images

 2024年シーズンには前年のチャンピオンマシンであるレッドブルRB19にインスパイアされたマシンを投入するチームが目立つ中、レッドブルと一番関係性の強いRBのVCARB 01は「最も似ていない部類に入る」とチーム代表のローレン・メキーズ代表は語った。

 ここ数ヵ月、ライバルチームがレッドブルとRBの関係強化に疑いの目を向け、特にマクラーレンのザク・ブラウンCEOは、ひとつの組織がふたつのF1チームを所有することから生じる潜在的な問題について声を荒げている。

 ブラウンCEOの懸念は、2チーム間でスタッフが異動し、それによって知的財産(IP)が共有されること以上に、パドック内での政治的影響力やレース戦略などの分野にも及んでいる。

 ただ技術的なレベルでは、RBはレッドブルの真似をするのではなく、依然として独自の道を進んでいるとメキーズ代表は考えている。

「我々のマシンは昨年のレッドブルではない。そもそも違うし、誰かが技術的に分析しようと思えば、それが分かるはずだ」

 メキーズ代表はmotorsport.comイタリア版の独占インタビューでそう語った。

「ライバルたちは例外なく、RB19を見てインスピレーションを得ようとしていた。だから我々もそうしたが、F1の歴史においてコピーすることは珍しくないということを知っている」

「今日でもパドックでそれを目の当たりにしているが、同じマシンはないし、それに近いモノもない。そしてピットレーンで全てのマシンを見た結果、我々のマシンはRB19に最も似ていない部類だと言える」

「レッドブルの人間は誰しも、ルールのグレーゾーンで勝負することに興味がないし、幸い我々にとってルールはとても明確だった。我々はルールで認められているいくつかのコンポーネントを共有しているが、ピットレーンにいるマシンの半分もそうしている」

 メキーズ代表は、ギヤボックスやサスペンションパーツなどチーム間での譲渡が可能なコンポーネントは競争の場において主要な差別化要因にならないため、オーナーからの追加投資なしで予算制限の上限を満たすことに苦労するチームが、よりパフォーマンスを左右する領域に予算を使うことができると利点を語った。

「(現状)ウイリアムズがポールポジションを獲得したり、ハースが表彰台に登ったりするところを見てないのは、共有可能なパーツにパフォーマンス面で特に重要なパーツが含まれておらず、代わりに開発費とコストのバランスが良いパーツに焦点が当てられているからだ」とメキーズ代表は言う。

「これらのレギュレーションは、F1チームがトランスミッションのような特定のコンポーネントに多大な投資をすることなくサーキットで戦える可能性を提供するという、新しいビジネスモデルを支持することも目的としている」

「財政面でF1にとって好ましい時代であることを強調したい。我々のオーナーは毎年予算を割り当て続けているし、グリッドの大部分もそうだと思う」

「レギュレーションのこの部分を変える根拠は何もない。最終的に1チームが喜ぶだけだ。危険なのは、スポーツ全体にとって間違った選択をしてしまうことだ」

 メキーズ代表はまた、RBがレッドブルからサスペンションを譲り受けたことによる影響を否定し、チームの絶え間ない空力開発こそが、昨シーズン終盤にコンストラクターズランキング最下位から8位にまで順位を引き上げた大きな要因だと語った。

「確かにサスペンションだけの問題ではない。パフォーマンスに関して奇跡は何も起こっていない」

「チームは長い間ランキング10番手だったが、状況を変えようと、最終戦アブダビまで続く開発プログラムを通じてより大きく変更していくことが決定された」

「実質的にマシン半分が変更され、その段階で開発プログラムを続けていた唯一のチームだったこともあり、結果は明らかだった」

「ギャンブルは成功し、チームはコンストラクターズランキングでふたつ順位を挙げて、スポーツ的な価値だけでなく経済的な利益も得た」

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出典: https://jp.motorsport.com/f1/news/rb-f1-car-among-those-which-look-the-least-like-2023-red-bull/10587601/
この記事を書いた人 Filip Cleeren, Roberto Chinchero

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