
レッドブルF1のマックス・フェルスタッペンにはクリスチャン・ホーナー代表にかかっている疑惑から、チームを離脱することを考えているのではないかという憶測が持ち上がっている。しかし彼はレッドブルを離れる理由はなにもないと語った。
今年2月、ホーナー代表は女性従業員に対して不適切な行為を行なっていたという告発があり、注目の的となった。レッドブル本社は調査の末、彼を“潔白”だったと結論付けたが、その直後に証拠と思わしき多数の文書がF1関係者にリークされる騒動が発生。レッドブルが調査内容の詳細などを明らかにしていないこともあり、この疑惑は2024年シーズンが開幕した今も尾を引いている。
中でもフェルスタッペンの父であるヨス・フェルスタッペンはホーナーが代表に留まり続けることで「チームが“分裂”する可能性がある」と主張。ホーナーの退陣を求める声を挙げたことで、フェルスタッペンの将来についても憶測が飛び火することになった。
フェルスタッペンはレッドブルと2028年までの長期契約を結んでいる。しかし父の発言から、彼が現在の契約を破棄する方法を模索していて、一説ではルイス・ハミルトンの後任としてメルセデス移籍を考えているのではないかという憶測まで飛び出している状況にある。
しかし、フェルスタッペン本人はサウジアラビアGPでレッドブルを離れるような理由は何もないと語り、さらにレッドブル内部の政治的な状況にも関与したくないというスタンスを示した。
レッドブルとの契約を最後まで続ける自信があるかと訊かれたフェルスタッペンは、「もちろん、その通りだ。それが契約にサインした意図であり、長期契約を結んだ理由だ」と答えた。
「そして当然、それはクルマのパフォーマンスの問題だ。2026年以降の新レギュレーションに少し疑問はあるけど、契約にサインしたときに僕は彼らが自分のキャリアにおいて何をしてくれたかを当然理解していた。そして当然、このチームに留まることが目的だ。本当に楽しんでいるからね」
「チームにも本当に満足している。パフォーマンスを発揮している限り、離れる理由はないよ」
フェルスタッペンのメルセデス移籍という憶測については、メルセデス側もレッドブルが最強のマシンを持っているため、まず無いだろうという考えを示している。
ただフェルスタッペンは、メルセデス移籍の可能性が100%無いと断言することはなかったという点は、興味深いところだろう。
「ルイスがフェラーリへ移籍するだなんて、だれも想像したりすることもなかっただろう」とフェルスタッペンは言う。
「人生全体において、自分の身に何が起きるかや、周囲で起きること、そして何が自分に影響を与えるかなんてのは決してわからない」
「だからどうなるか、100%は決して言えないんだ。僕は自分の人生に、そういった感じでアプローチしている」
「ただ、僕はそれ(メルセデス移籍)についてはあまり考えていない。とてもリラックスできているし、さっき言ったようにチームにとても満足しているんだ。パフォーマンスもある。離れる理由はないよ」
■フェルスタッペン「パフォーマンスに集中したい」
またフェルスタッペンは父ヨス・フェルスタッペンの発言を巡る状況などを理解したうえで、どちらかの側を選んだりはするべきではなく、パフォーマンスに集中したいと語った。
ホーナー代表が残留すればチームは分裂するという父の発言に同意するかと問われたフェルスタッペンは「分からない。そうならないといいし、そうなるべきではないと思う」と答えた。
「レッドブルは強力な会社であり、強力なチームだ。たくさんの強力なチームメンバーが揃っている。だから普通はそうじゃない」
「僕、父、そしてレイモンド(フェルミューレン/マネージャー)の3人でチームなんだ」
「それはこれからもそうだ」
「彼(父)はそう感じたのかもしれないが、僕の方からすると、どちらかの側にあるかは関係ないんだ」
「確かに息子として違う側に立つのは奇妙なことだろう。でも僕はパフォーマンスの側面に集中していたいだけだ」
「実際のパフォーマンスについてじゃなくて、コース外のチームが何をしているかについては、あまり話したくない」
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