
メルセデスのルイス・ハミルトンは、2024年のF1開幕戦バーレーンGPの初日フリー走行2回目(FP2)でトップタイムを記録したものの、「ロングランではレッドブルの足元にも及ばない」と語った。
ハミルトンはFP2で2セットのソフトタイヤを使用。1セット目のタイヤの時点でトップタイムを記録すると、2セット目のタイヤでタイムを更新し、そのトップタイムをセッション最後まで維持した。2番手にもチームメイトであるジョージ・ラッセルがつけ、メルセデスは非常に良い形で開幕戦の初日を終えたように見えた。
しかしハミルトンは、その結果には慎重な姿勢を崩さない。
「クレイジーな金曜日だったね」
そうハミルトンは語った。
「FP1は驚いた。風がすごく強かったからね。誰にとっても、本当に難しいセッションだったと思う。コースは先週のテストと比べて大きく異なっていた。感触は悪くなかったけど、C2(ミディアム)タイヤで自分たちがどんなポジションに立っているのかはよく分からなかった」
「FP2ではマシンにいくつかの改善を行なった。でも、理由は分からないんだけど、このポジションにいるのは驚いた」
「この後も、集中してセットアップに取り組んでいく必要がある。そして、さらにパフォーマンスを引き出していかなきゃいけない。たとえばロングランのペースは、レッドブルの足元にも及ばないと思う。僕らには、改善を達成するための努力が必要なんだ」
とはいえ今季のマシンW15は、昨年までのマシンと比べると大いに改善されていると、手応えを感じているという。
「今年のマシンにはとても満足している。シートの位置も後ろに下がり、コーナーへのアプローチの感触も良くなった。でも、改善された部分は他にもあるよ」
「この2年乗ってきたマシンは、そういうフィーリングじゃなかった。だから、今のマシンは今後取り組んでいくのに良いプラットフォームになっていると思う。僕らは集中し続け、前を追っていく必要がある」
ハミルトンが「レッドブルの足元にも及ばない」と語るロングランのペース。これを改善する目処は立っているのかと尋ねると、彼は次のように語った。
「新しいマシンでは、すべて新しいツールになっているし、すべてが再設計されている。これまでの数字やモノの名前なんかが、完全に変更されているんだ。つまりマシンのセットアップに関して、新しい”語彙”を学ぶことになるんだ」
「一部はテストしたけど、まだ1日半しか走れていないから、すべてをテストできたわけじゃない。だから、今後の進捗を見ていかなきゃいけないと思うけど、一歩前進できればと思っている」
「少しアイデアはあるんだけど、アタックラップのペースなど他の面に影響を与えないようにセットアップを変更しているから、改善を達成するための方法はまだ分かっていない」
ハミルトンは、開幕戦は激しい表彰台争いになることを覚悟しているという。
「僕らは表彰台争いに加わっていると思う。まだ断言するのは早いかもしれないけど、僕らはフェラーリやマクラーレン、そしてアストンマーティンと同じようなところにいると思う」
「僕らと彼らの相対的な差がどのくらいなのか、それは正確には分からない。でも、彼らの周囲にいるのは間違いないと思うよ」
「すごく接近した、素晴らしい戦いが僕らの周囲で起きるだろう。マックス(フェルスタッペン/レッドブル)は先頭にいて、ここ数年と同じように違うポジションにいるんだろうけどね」