
3日間のF1プレシーズンテストを終えて、アストンマーティンのテクニカルディレクターであるダン・ファロウズは、ニューマシンAMR24が昨年からの課題をクリアできていると語った。
レッドブルをはじめライバルチームがマシンコンセプトを大きく変更する中、アストンマーティンはフェルナンド・アロンソの手によって8度の表彰台を獲得した昨年マシンAMR23のさらなる進化に開発の焦点を当てた。
バーレーンでのテストでは、他チームがより目立ったタイムを記録したとはいえ、アストンマーティンがAMR24の初期パッケージで、求めていた進歩を遂げたことが示唆された。
「今シーズンに向けて、我々はオフシーズン中にステップを踏むことを目指していて、確実に改善したかった」とファロウズは語る。
「昨年のマシンの進化版とはいえ、強力な進化であると同時に強力な改良であってほしかった。我々はその一歩を踏み出すことができた。だから、そのことをとても喜んでいる」
「我々にとって最も重要なことは、ここからどうするかということだと思う。昨年はシーズン中の開発で達成したことに100%満足していた訳ではない。そして、シーズン中もトップレベルで戦えるようにしたかった」
「我々は昨年より一歩前進したことを確認するのに熱心だったと思う。そのチェックボックスを確実に満たすことができる」
アロンソは新車発表会の席で、AMR24でチームが取り組むべき重要な領域は直線スピードと高速コーナーでのダウンフォースだと明言していた。
今年の開発目標についてファロウズに対して尋ねると、彼は次のように答えた。
「マシンをドライブしやすくし、バランスを良くするという面で、オフシーズンの間に集中的に取り組んだことがいくつかあった」
「我々は今の状況にそれなりに満足していると思う。常に改善すべき点があることは分かっている。だから風洞に戻ったり、図面台に戻ったりするんだ」
「でも今までのところ、3日間のテストで多くのことを達成できたと思うし、多くのテスト項目をこなした。結果にはとても満足しているよ」
またアストン代表のマイク・クラックは、テストではプログラムが計画通りに進み、アストンマーティンは「毎日予定していた仕事を全てこなせた」と認めた。
しかしクラック代表は、チームの立ち位置については慎重な姿勢を崩していない。
「ここから数日にかけて、全てを分析する必要がある。今後、より明確なイメージが掴めるだろう」とクラック代表は言う。
「自分たちを見つめ直すことは、我々にとって非常に重要なことだった。我々は非常に大きなプログラムを行なっていて、他チームがやっていることに影響を与えることはできない。そして今は分析すること、そして他のチームが何をしたかを理解することが重要だ」
「路面コンディション、燃料搭載量、エンジンモード、タイヤ……特にここでは5種類のタイヤの仕様があった。5秒の差は生まれると思う。誰がどれだけリードしているかを見極めるのは、本当に本当に難しいことだと思う」