
イタリアのモンツァ・サーキットはF1イタリアGPの開催コースとして長く親しまれてきたが、長期的な将来を確保するために、現在サーキット施設の重要な改修作業に着手している。
現在モンツァでのF1開催契約は、2025年までとなっている。ただ現状、イタリアではイモラでもF1がエミリア・ロマーニャGPとして開催されており、今後国内2ヵ所での開催が続くのか、それとも片方だけがカレンダーに残るのかはまだ決断が下されていない。
そしてF1のステファノ・ドメニカリCEOは昨年、モンツァが契約延長を勝ち取るためには、施設を改善することが非常に重要になってくると語っていた。当時のCEOの発言は以下の通りだ。
「モンツァの歴史的な価値について疑問はない。しかし我々はサービス面でも時代を追いかける必要があり、レーストラックに来る人達が支払うモノと釣り合っていなくてはならない」
「来年(2024)中には、将来について明確な考えを持つことができるだろう」
こうした状況に置かれていたモンツァ・サーキット側は、2024年1月8日に、インフラ改修などの作業に着手。イタリア自動車連盟の上層部も出席するセレモニーが行なわれ、作業がスタートした。
工事内容はトラックの全面的な再舗装、新たな地下道の建設(及び既存の地下道3つの拡張)、そしてグランドスタンドの改善を含む一連のピットビルディングの改善といったモノとなっている。
イタリア自動車連盟のアンジェロ・スティッキ・ダミアーニ会長は、今回のモンツァ・サーキット改修工事について、次のように説明した。
「我々の主な目標はこのサーキットの速度を戻すことにある」
「ファンの方たちの流れの問題を放置するわけにはいかないし、サーキットに来る人にもっと素晴らしい快適さを提供する必要がある。我々は要望に応えるための3つの目標を定めていて、そのひとつが地下道だ」
「ふたつ目はグランドスタンド関連になる。我々にはまだ仮設部分残っているため、観客が期待するであろう全てのアメニティを提供できるしっかりとした建物を作ることになる。各グランドスタンドは観客が移動する必要の無いよう、必要なサービスを全て内部に備えたモノとなってくる」
「最後はピットビルディングに恒久的なタイプのルーフを設置することだ(現在は張力構造のルーフ)。構造が高くなるため、支柱も補強される」
ピットビルディングの改修は、パドッククラブにおける企業向けのホスピタリティ向上にも役立つため、F1にとって非常に重要な改善領域となってくる。
F1のドメニカリCEOは8日に、モンツァの改修について次のように語った。
「我々にとってこれは重要な目標だ。我々は昨年までのようにテントの下ではなく、適切な構造のもとに我々のゲストを迎えることができるようする必要がある」
「加えて、将来を見据えて他の介入も明らかに必要だ。モンツァには素晴らしい伝統があるが、我々は先を見据えて、他の世界選手権のトラックと同レベルのレーストラックを提案する必要がある」
なおこうしたモンツァ・サーキットの改修作業は6月までに完了する見込みだ。そして8月30日からイタリアGPの開催を迎えることとなる。
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