
レッドブルは2023年、22戦中21勝を挙げる圧倒的な強さを誇った。唯一土がついたのは、シンガポールGPでのこと。このレースでレッドブルは、車高に関するセットアップをミスしたため、最後まで従来のパフォーマンスを取り戻すことができず、フェラーリのカルロス・サインツJr.の勝利を献上することとなった。
同チームのマックス・フェルスタッペンと、テクニカルディレクターのピエール・ワシェは、シンガポールのようなコースでも取りこぼすことがないよう、2024年に向けて低速コーナー、そして縁石を通過する際の性能を強化する必要があると語った、
motorsport.comの独占インタビューに応じたフェルスタッペンは、圧倒的な強さを誇ったRB19の改善すべき点を、次のように語った。
「僕が主に考えているのは、市街地コースと低速コーナー、そして縁石についてだけだ」
そうフェルスタッペンは語る。
「そういう点を考えると、現時点では僕らはベストではないと思う」
この点については、テクニカルディレクターのワシェも同意する。しかしそのワシェは、弱点に対処する必要があるものの、それを対処することで、RB19が持っていた強みを犠牲にしてはいけないと示唆した。
「チームとしても、同じ弱点を認識している。おそらくマックスとは異なる視点からだと思うからね。なぜなら、彼はドライバーだからだ。でも多かれ少なかれ、我々が来シーズンに向けて取り組まなければいけないことを非常によくまとめていると思う」
「低速域は明らかに、弱点となっている領域のひとつだ。バクーの予選や別のタイプのコースでも分かるように、90度コーナーでは我々はベストではない。シンガポールのレースも、素晴らしいモノではなかった」
「また縁石や凹凸のある路面を走行する能力も完璧ではないので、この領域を改善する必要がある」
「ただ我々のシステムとこのF1の世界では、代償なしで手に入るモノは決してない」
「全体的なポテンシャルを引き上げることはできるけど、ほとんどの場合は、それを行なうことで、マシンのその他の側面に影響を与えてしまう」
「だから我々は、築いてきた強みを壊さないよう、細心の注意を払う必要があるんだ」
「それがやろうとしていることだ、つまり、強みをあまり損なうことなく、弱点を改善しようとしているのだ」