
メルセデスのルイス・ハミルトンは過去2シーズンに渡って勝利から遠ざかっているが、2024年マシンW15についてチームに「全幅の信頼を寄せている」と語った。
12月7日(木)、ハミルトンはイギリス・ブラックリーにあるレーシングチームと、ブリックスワースにあるハイパフォーマンス・パワートレインズの両ファクトリーを訪れ、冬休みに入る前に2023年シーズンの最終報告を行なった。
2023年シーズンは優勝回数ゼロと厳しい1年になったものの、チームはコンストラクターズランキング2位を獲得し、チーム内のムードは“ポジティブ”だとハミルトンは明かした。
12月8日(金)のFIA年間表彰式に先立ち、ハミルトンは「とても忙しかった」と語り、次のように続けた。
「長い、長い1年だったけど、未解決の問題を全て解決し、チームと協力してきた」
「昨日はチームの前で、1年を通して素晴らしい仕事をしてくれたみんなにお礼を言ったよ。今は1年の中でも特別な時期で、一段落して次の目標を見定める時期なんだ」
また、ファクトリーの雰囲気を尋ねられたハミルトンは次のように答えた。
「とてもポジティブなムードだよ。今シーズン直面した困難を考えれば、コンストラクターズランキングで2位を獲得できたことに、チームメンバー全員が信じられないほど満足していると思う。常にいつもエモーショナルだよ」
「このチームに在籍して長いけど、ブリックスワースやブラックリーへ戻るたび、どれだけ大きなチームが後ろから背中を押してくれているのかを思い知らされる」
「僕がここにいる間にチームへ加わった新しい人たち、以前からいる人たち、そして僕がF1で初めてグランプリに出たときから僕のエンジンに携わってきた人たちそれぞれを見ることができる。進歩や成長を目の当たりにすることができるのは素晴らしいことだ」
「そして、チームもどんどん多様化している。僕にとっては、正しい方向に進んでいると確認できてとても嬉しい」
またハミルトンは、今回のファクトリー来訪を来年のW15の進捗状況の確認に当て、チームには「全幅の信頼を寄せている」と語った。ただ、W15に絶対的な戦闘力があるかどうか判断するのは難しいと認めた。
「(予測は)常に難しいことだと思う」とハミルトンは言う。
「僕はエンジニアでもデザイナーでもないから、簡単じゃないよ」
「風洞でマシンを見てきたし、ファクトリーへ行くときはいつも風洞に寄って最終的にどんな方向に進化していくのかを見るから、今は1年でも常にワクワクする時期なんだ」
「文字通り、昨日も帰り際に少し寄ってみたんだ。戻ったら別モノになっているだろうね」
「僕はそれに取り組んでいるみんなに、全幅の信頼を寄せている。来年はもっと競争力のあるポジションで戦えるといいね」
そしてハミルトンは、2023年マシンW14を初めて走らせたときから、タイトルを獲得できるマシンではないと悟っていたという。
「全てのシーズンで浮き沈みがあった。順風満帆にはいかないものだ」とハミルトンは言う。
「シルバーストンでマシンを走らせた瞬間から、おそらくチャンピオン争いをすることはないだろうと僕らは悟っていた。そして集中し直して目標を再設定し、追い上げるために努力したんだ」
「チームの誰もが決して諦めなかったことは、本当に喜ばしいことだと思う。みんな前向きで、そういてくれたことが僕にとってはかなり励みになった」
「この瞬間に感謝すること、チームのひとりひとりに感謝すること、そして得られた結果に感謝することから、僕らは常に学んでいると思う。表彰台に登れたら、今まで以上にありがたく思うだろうね」
「ブダペスト(でのポールポジション)は、僕が大好きなサーキットでのハイライトだった。レッドブルをほんの一瞬でも退けたことで、攻め続ければ勝てるかもしれないという希望が持てたんだ」