2023.12.8

FIA、F1競技規則を変更。2026年の空力開発は2025年まで禁止されることが確定……ピットレーンオープンもスタート40分前に変更

Mercedes AMG

 FIAは最近行なわれたF1委員会での合意を受けて、スポーティングレギュレーション(競技規則)を変更。新レギュレーションが施行される2026年用F1マシンの空力開発が、2025年1月まで禁止されることが正式に確認された。

 2026年のF1は、パワーユニットに関連するレギュレーションが大きく変更され、エンジンの出力と電動エネルギーの出力が50:50になり、エンジンで使う燃料も持続可能燃料になることが決まっている。

 この変更に伴い、シャシーに関連するレギュレーションも変更される予定だが、詳細はまだ定まっていない。しかしながら各チームは、改定後のレギュレーションがどのような方向に進むのかはほぼ理解している。

 このことは、2026年に向けた開発競争が、早い段階から始まってしまう危険性も含んでいる。そのためFIAはスポーティングレギュレーションを改定。2025年1月まで、2026年用マシン開発のための風洞実験やCFD(コンピューター上のシミュレーション)における作業を、正式に禁止することとした。

 異例なことであるが、すでにシーズンが終了した2023年用レギュレーションにも、この件に関する修正が加えられ、さらに2024年レギュレーションにも変更が加えられた。

 2023年と2024年のF1スポーティングレギュレーションには、次のように記載された。

「2023年1月12日から2025年1月1日まで、2026年シーズンに向けた開発を目的としたテストを防止するため、RWTT(制限付き風洞テスト)は、規定に実質的に2023年、2024年、そして2024年のF1テクニカルレギュレーションに準拠したスケールモデルを使用した場合のみ実施できる」

「エアダクトを最小限に抑えたブレーキシステムのコンポーネント開発を目的としたダイノテスト、ただしボディワークとして分類されるパーツまたはシステムの性能または耐久性のテスト(または何らかの方法で付随的なデータや知識が提供されるモノ)が同時に行われない場合を除き、2026年のF1テクニカルレギュレーションまたはFIAが提案する2026年のボディワークジオメトリとコンセプトの草案および/または公表されたモノに部分的または完全に準拠したもの、および/または実質的に派生した車両のジオメトリを使用して風洞実験を実施することはできない」

 同様の文言により、2026年に向けたCFDにおけるシミュレーションも、2024年末まで禁止される。

 しかしその一方で各チームは、空力試験制限規則の対象外となる2026年以降に向けた予備的な研究開発作業については、実施することが引き続き許されている。

 なお2024年のF1スポーティングレギュレーションにおけるその他の変更点としては、代替タイヤ割り当て(ATA)の廃止が確認されたほか、ピレリタイヤのテストに認められる日数が当初の35日から40日に拡大され、そのテストが行える期間が最初のレースから12月15日までと規定されていた要件は削除された。

 ウエットコンディション時の水飛沫を低減するためのテストとして4日間が割り当てられることも、レギュレーションに盛り込まれた。

 さらにこれまでレーススタートの50分前にピットレーン出口がオープンされていたが、来季からは40分に短縮されることになった。また、これまではレースが中断されてから再開される際、スタンディングスタートとなる場合にはその旨が2分前までに通知されることになっていたが、これが1分前に短縮されることになった。

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出典: https://jp.motorsport.com/f1/news/fia-formalises-ban-on-2026-f1-aero-testing/10556179/
この記事を書いた人 Adam Cooper

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