
F1アブダビGP決勝で7位入賞を果たしてドライバーズランキング4位を獲得したアストンマーチンのフェルナンド・アロンソ。レース中にはメルセデスのルイス・ハミルトンと激しく競り合い、ハミルトンから「僕にブレーキテストしてきやがった!」と批判されることもあった。
これについてアロンソはストレートでDRSを確保するための動きだったと説明した。
このバトルが展開されたのは、アロンソが2回目のピットストップからコースに戻った38周目。ハミルトンが背後に迫る中、アロンソはヘアピンのターン5へ進入する際に、アクセルを抜いてコース右側にマシンを寄せた。
早いタイミングで減速したアロンソにハミルトンは意表を突かれ、チームにこの動きを報告。スチュワードは“乱暴なドライビング”として記録したが、アロンソに対してペナルティが科されることはなかった。
ハミルトンはDRSを使ってすぐにアロンソを抜くも、アロンソは抜き返して結果的にハミルトンからふたつ前の7位でチェッカーを受けた。ハミルトンはアルファタウリの角田裕毅を抜きあぐね、最終ラップでは一度前に出ながらも抜き返されて9位となった。
レース後、アロンソはハミルトンとのバトルを振り返り、ターン6へ向かう長いストレートでDRSを得るべく、ハミルトンを一旦前へ行かせるつもりでペースを落としたと説明した。
ハミルトンからの“ブレーキテスト”批判についてコメントを求められたアロンソは次のように答えた。
「ルイスはとても賢くて、このスポーツをよく理解しているし、経験も豊富だ。でも経験なら僕のほうがある」
ハミルトンの批判には驚いたか、と尋ねられたアロンソは「イエスでもあり、ノーでもある」と答え、次のように続けた。
「僕らは2012年のカナダGPでも同じようなことがあった。あの時から11年後、僕らはお互いにターン5のブレーキングでDRSを相手に与えようとした。僕が勝ったから問題ないよ」
またアロンソは、アストンマーチンのAMR23には「オーバーテイクするためのペースが必要で、ストレートで少し遅かった」と語り、それが「シーズンを通しての弱点だった」と吐露した。
さらにタイヤのデグラデーション(性能劣化)が予想以上に大きかったこともアストンマーチンを苦しめた。
「16周目くらいまでに1回目のピットストップを行ない、それから長いレースになることは分かっていた」とアロンソは言う。
「でも、最終的には7〜8番手のペースだったと思う」
「昨日も言ったように、予選ラップはポジション的にとても良かったけど、(レース)ペースが心配だった。それが今回見られたことだ」
「アルファタウリに勝つには十分なペースだったけど、それだけじゃ満足できない」
アストンマーチンは最終戦でアロンソが7位、ランス・ストロールが10位でダブル入賞を果たし、コンストラクターズランキング5位で2023年シーズンを終えた。