
TOYOTA GAZOO Racingの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組は、世界ラリー選手権(WRC)ラリージャパン序盤のクラッシュにより大きく後退していたが、その後は7回のステージ優勝を果たして挽回した。
勝田はSS15 を終了した時点で総合5番手につけるM-スポーツのオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組との差を13.8秒に縮めたが、SS16以降もWRC世界チャンピオンであるタナクは抵抗してくるはずだと考えている。
クラッシュの影響で一時は24番手まで沈んだ勝田だったが、SS2でもステージ序盤は最速タイムを上回るペースで走るなど、本格的な林道ステージがスタートした時点からそのスピードは健在だった。
マシンが修復されたDAY2午後のループで勝田は、ステージ3連勝をマーク。日付が変わったDAY3でもステージ4勝を挙げた。
勝田はSS9で赤旗の影響を受けたものの、SS15終了時点で総合トップに立つチームメイトのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組から3分50秒5後方の総合6番手まで浮上してみせた。
この時点で総合5番手のタナクまでは13.8秒差、総合4番手につけるヒョンデのエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組までは38.3秒と、勝田は総合4位さえ狙えるポジションにいる。
「マシンに対してはとても良い感触を得ています」と勝田は言う。
「他のイベントでもステージによっては似たような良い感触を得られていましたが、今回は全てのステージでそう感じることができています」
「マシンに関してはチームに感謝したいです。セットアップの面に関してもかなり良くて、快適に感じることができています」
「もちろんもう1日ありますし、長くてトリッキーなステージが残っています。そこでも可能な限り攻めるつもりですし、それほど離れていないので上位のドライバーに接近しようと思います」
最終日に向けて、勝田はマシンの感触が良いとポジティブな姿勢を見せる一方で、簡単に総合5番手に上がることができるとは考えていない。
「彼(タナク)は世界チャンピオンですし、彼を捉えるのは簡単ではありません」と勝田は言う。
「彼は攻めどころをわきまえていますし、とても、とても速いドライバーです。もちろん、難しい挑戦になりますが、とにかく攻めてみます」
なお対するタナクは、トヨタとM-スポーツのパフォーマンス差から簡単に総合5番手の座を勝田に奪われてしまうと悲観的な様子を見せ、次のように語った。
「彼らの持っているペースと僕らのペースを考えると、タカ(勝田の愛称)のパフォーマンスは“攻めすぎ”ということではないはずだ。僕らに抵抗する術はないよ」
※追記
なお赤旗中断の影響を受けたSS9は後に救済タイムが改められ、勝田はここでもトップタイムに並び、本ラリーでのステージ優勝回数は8回と改められた。
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