
セパン・インターナショナル・サーキットで行なわれているMotoGP第18戦マレーシアGP。MotoGP最高峰クラスのスプリントレースは、グレシーニのアレックス・マルケスが優勝した。
2日目午前中に行なわれた予選の結果、ポールポジションを獲得したのはフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)、2番手はホルヘ・マルティン(プラマック)と、タイトルを争う2人がフロントロウに並んだ。なおマルティンは、サイティングラップの際にマシンのフロントフォークの取り付けられているウイングが外れるトラブルに見舞われ、グリッド上で修理を受けた。
マレーシアGPは天候悪化が懸念されていたが、2日目も晴れ。スプリントレース前には少し雲がかかっていたもののドライコンディションでスタートを迎えることができた。
全10周のスプリントレースは、ポールシッターのバニャイヤが上手く発進して先頭をキープ。3番グリッドのエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)や4番グリッドのアレックス・マルケスも好スタートを切ったことで、マルティンは一時的にポジションを下げた。
混乱無くスタートしたレースのオープングラップを終えた段階でのオーダーは、バニャイヤ、アレックス・マルケス、マルティンのトップ3。バスティアニーニはスタートこそ良かったが、その後はKTM勢に追い抜かれて6番手まで後退した。
アレックス・マルケスは2周目の最終コーナーでバニャイヤに仕掛けたが、ワイドに膨らんでしまい追い抜けず。その結果マルティンに抜かれてしまったが、すぐに彼は追い抜き返して再びバニャイヤを追いかけた。
序盤はトップ7台ほどが密集していたが徐々に差が広がっていき、4周目ともなるとトップ3台が抜け出した。アレックス・マルケスが約0.3秒差でトップを追いかけ、マルティンがその0.5秒後方という形だ。
アレックス・マルケスは5周目にファステストラップを更新するペースでバニャイヤに接近していき、テール・トゥ・ノーズに持ち込んだ。
そして6周目、アレックス・マルケスがターン9でバニャイヤをオーバーテイク。ふたりが争っている際にマルティンも接近していたことから、バニャイヤは続けざまに追い抜かれてしまい、3番手まで一気に後退してしまった。
アレックス・マルケスは先頭に立った後はハイペースで逃げ、後続に1秒の差を築いてラストラップに突入。そのまま逃げ切って、スプリントレース2勝目を挙げた。ウイニングランでは兄で来季チームメイトとなることが決まっているマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)も祝福した。
バニャイヤはマルティンに抜かれた後、ペースが上がらずにズルズルとギャップを開かれてしまった。バニャイヤにはコース上に舞っていたゴミがフロントウイング周辺に張り付く場面もあったが、その影響があったかどうかは定かではない。
そしてバニャイヤは僚友のバスティアニーニにも迫られた。ただバスティアニーニは、相手がタイトルを争うチームメイトということもあってか、オーバーテイクを仕掛けるのを自重。2位マルティン、3位バニャイヤという順にチェッカーを受けた。
このスプリントレースの結果、ランキング首位のバニャイヤと2番手マルティンのポイント差は11点に縮まった。
日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は19位でフィニッシュ。ドゥカティからワイルドカード参戦しているアルバロ・バウティスタ(Aruba.it Racing)は22位だった。