
ブラジルのインテルラゴス・サーキットで開催されたF1サンパウロGP。週末を通して記録的な26万7000人もの観客が詰めかけたが、決勝ではコースにファンが侵入する事件が発生した。これを受けてFIAは「容認できる状況ではない」としている。
事件が発生したのは決勝レースのチェッカーフラッグが振られた直後のこと。まだマシンがコース上にとどまっていたものの、ターン1から観客の“大集団”がコース上に侵入したのだ。
F1では通常、ファンが表彰台セレモニーを間近で見ることができるように、マシンが去った決勝レース後に決められた時間にゲートが開放される。しかしmotorsport.comの調べでは、サーキットがまだ“ライブ”と判断されていた状態にも関わらず、フェンスを乗り越えてコースに入った人々がいた。
FIAはCCTVの証拠を検証し、レース主催者の取り調べを行なった結果、いかなる対策も「実施されておらず、かつ/または十分ではなかったために危険な環境となった」と断じた。
FIAは次のように記した。
「(主催者側は)セキュリティプロトコルと安全対策に不備があったことを率直に認めた」
「彼らはFIAスポーティングデレゲートとレースディレクターの報告書を認め、ブラジルでそうした状況がすでに発生しており、悲惨な状況を招きかねない、容認できない状況であったことに同意した」
サンパウロGP主催者は、2024年1月30日までに「深刻な懸念に適切に対処する正式な改善計画をFIAに提示」する必要があり、2024年大会までに改善策を講じなければならない。
スチュワードはFIAに対して合意した対策を見直すよう求めており、世界モータースポーツ評議会はさらなるペナルティを適用することができる。
同様のインシデントはレース終盤、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)のマシンが放電の可能性により安全ではない状態のままコース上に置かれていた2023年オーストラリアGPでも発生していたが、オーストラリアGP主催者が制裁を受けることはなかった。
この週末には、サンパウロGPが5年の契約延長を獲得することが発表され、従来の契約に加えて少なくとも2030年シーズンまでF1カレンダーに残ることが決まったばかりでの事件だった。