
F1サンパウロGPの決勝でランド・ノリス(マクラーレン)は2位でフィニッシュ。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を追いかけたが、攻略には至らなかった。
ノリスがフェルスタッペンに直接的な攻撃を仕掛けたのは、実は1回限りだった。これについてノリスは、2回以上攻撃を仕掛けるのは大きなリスクがあると判断し、断念したと語った。
サンパウロGP決勝は、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がフォーメーションラップでクラッシュし、1周目のターン1ではクラッシュが発生して赤旗中断となるなど、波乱の幕開けとなった。そんな中ノリスは抜群のスタートを切り2番手に浮上し、赤旗中断からレースが再開された後も、2番手をキープした。
レースが再開後の7周目には、ノリスがフェルスタッペンに対してオーバーテイクを仕掛けた。しかしフェルスタッペンはターン1でしっかりとディフェンス。ノリスは続くターン4でも抜くことができなかった。その後ノリスは、徐々にフェルスタッペンに離されてしまい、それ以降ノリスがフェルスタッペンに仕掛けるチャンスは訪れなかった。
結局フェルスタッペンが優勝。ノリスは2位でチェッカーを受けた。
今期最強のレッドブルとフェルスタッペンに果敢に挑んだことで、大きな歓声を受けたノリス。彼はフェルスタッペンへのアタックが1回に留まった理由について、残りのレース展開を考えてのことだったと語った。
「マックスとレースをするチャンスは、数周しかなかったんだ」とノリスは言う。
「レース全体で彼に対抗するために必要なペースを、突然見つけられるなんてこともなかった」
「フェルナンド(アロンソ/アストンマーチン)も後ろにいた。彼らのレースペースは分かっていた。激しいデグラデーションに見舞われる時には、彼らはとても良いレースをするからね
「昨日は彼(アロンソ)にクリーンエアが与えられていなかったけど、今日の彼にはチャンスがあったし、もっと良い結果を成し遂げる可能性もあった」
「再び(フェルスタッペンに)挑むことで、自分自身のレースを妥協させたくなかった。バッテリーもあまり残っていなかったし、もしタイヤを早くからオーバーヒートさせてしまったりすると、かなり大きな代償を支払うことになるんだ」
「試してみたけど、2回目のアタックに値するモノはなかった。可能性はあったと思うけど、フェルナンドとその後ろにいるライバル達のこと、リスクなどを考えると、(2回目のアタックには)価値がなかった」
ノリス曰く、今回のマクラーレンはターン10と12で苦戦していたという。そしてフェルスタッペンに仕掛けることができたのは、新品タイヤのパフォーマンスが大きな後押しになったと語る。
「僕らはターン10とターン12で苦戦しすぎていた。そこはレッドブルがとても競争力のある場所で、僕らからすると週末を通じて新タイヤを使っている時以外は苦しんでいた場所でもある」
「1度チャンスがあるなら、そこだろうなと思っていた。バッテリーとDRSを全部使って、それで彼を捕まえることができた」
「ターン1とターン2は僕も綺麗なラインを通っていたけど、マックスにはすごくグリップがあった。もしスティントの後半だったら、彼のターン1とターン2のラインはもっと悪くなっていただろうし、より失うモノがあったはずだ」
「仕掛けた時には、タイヤもフレッシュでグリップも十分だった。彼のコーナーの立ち上がりは良かったから、僕はターン4のブレーキングゾーンで彼に並びかけただけだった。あと数メートルあればよかったんだけどね!」