
鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーフォーミュラ最終戦”JAF鈴鹿グランプリ”で7位に入ったB-Max Racing Teamの松下信治は、前戦もてぎ戦でクラッシュした影響でシャシーを交換したことで、状況が好転したと語った。
松下は今シーズン、1ポイントも獲得できないまま鈴鹿での最終2レースを迎えた。しかしその鈴鹿では、土曜日に行なわれた第8戦こそ無得点に終わったものの、予選では今季2度目となるトップ10入り。最終戦となった第9戦では今季ベストの6番グリッドを確保すると、レースでは一時4番手を走る快走。最終的には7位で入賞し、今季初のポイントを獲得してシーズンを締め括った。
松下は鈴鹿ラウンドの前、8月に行なわれたもてぎ戦の1周目に、リアム・ローソン(TEAM MUGEN)のスピンによって引き起こされた多重クラッシュに巻き込まれ、シャシーにダメージを負った。そのため、最終戦には新しいシャシーを投入して挑んだ。
松下は第9戦を終え、シャシーを交換したことが復活の鍵になったと語った。
「シャシーを変更したことが、最大の要因だったと思います」
松下はmotorsport.comにそう語った。
「土曜日は予選Q2で赤旗が出てしまったので、少し残念でした。でも日曜日には再びQ2に進出することができ、良い仕事ができました」
「決勝で僕らはミニマムの戦略(10周目にピットインする戦略)を選択しましたが、他のチームはピットストップを遅らせる戦略を選択しました。彼らが新しいタイヤを履いたので、僕は抑えることはできませんでした。もっとピットストップを遅らせた方がよかったかもしれません」
「新しいシャシーのおかげで、全てがとても楽になりました。以前よりも多くのことを分析することもできたんです。アンチロールバーの剛性などを変更すると、それをしっかり感じることができました。うまく反応するようになってくれたんです。以前はそんなことはありませんでした」
「トップチームと比べるとまだグリップが足りないので、それを分析する必要はあります。でも、チームは良い仕事をしてくれました」
そんな松下は、来シーズンのシートはまだ決まっていないと明かす。
「現時点では、僕の来季のシートはありません」
そう松下は明かした。
「なんとかシートを掴みたいですが、難しいとは思います。どうなるか分からないですが、最後まで全力を尽くします」
■牧野は新シャシーに苦しむ

松下同様に牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も、もてぎでのクラッシュの影響で鈴鹿戦に新シャシーを投入した。しかしチームメイトの太田格之進が優勝したのに対し、10位に入るのが精一杯だった。
牧野曰く、松下とは対照的にシャシーを交換したことで苦労し、「空力に何か問題がある」ように感じたと語る。
「クルマに何が起きているのか分かりません」
牧野はmotorsport.comに対してそう語った。
「過去数ラウンドとはかなり違う感じがしました。どこもかしこも、”空力が無い”ように感じられたんです。時には、バウンシングしすぎることもありました」
「国本(雄資/Kids com Team KCMG)選手と松下選手の後を走っていた時、僕のマシンのストレートスピードは本当に遅かったです。コーナー出口は問題なかったんですが、ストレートエンドは本当に遅かった。ボトミングするというか、そんな感じだったんです」
牧野曰く、もてぎでのクラッシュにより、チームと共に築いてきた進歩を失ってしまったと語る。
「富士テストの後、僕らは大きな一歩を踏み出しました。でも大きな問題はもてぎ(でのクラッシュ)でした」
そう牧野は言う。
「クルマの良いフィーリングを失ってしまったんです。真逆になってしまいました。僕にとっては非常に難しい状況です」
「来年についてはまだ分からないです。ルーキーテスト(12月に鈴鹿で行なわれるオフシーズン合同テストおよびルーキードライバーテスト)で、マシンに何が起きているのかを理解したいと思っています。それを楽しみにしています」
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