
F1メキシコシティGPを、アルファタウリの角田裕毅は12位でフィニッシュした。しかしそのペースを考えればもっと良い順位も確実だったため、実に残念な結果だったと言える。
これについてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコ博士は、厳しい評価を下している。
角田はパワーユニット交換によりグリッド最後尾(18番手)からスタート。ただ優れたペースを発揮し、追い上げを見せた。しかしレース序盤にはケビン・マグヌッセン(ハース)を抜きにいった際にロックアップさせ、タイヤを痛めた。レース終盤にはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を抜きに行った際に接触してスピンしてしまい、入賞の可能性が潰えた。いずれもターン1でのインシデントだった。
ただレースペースを考えれば、最後尾スタートながらも好位置でフィニッシュできていた可能性が高い。チームメイトのダニエル・リカルドが7位でフィニッシュしたが、ダブル入賞はほぼ確実だった。
いずれのインシデントも、角田にはペナルティが科されることはなかったが、マルコ博士は「ユウキのミス」と厳しい評価を下している。
「ダニエル・リカルドは素晴らしいレースを見せた。あと1周あれば、ラッセル(ジョージ・ラッセル/メルセデス)よりも前に出ることができていただろう」
メキシコシティGPでのアルファタウリについて、マルコ博士はそう語った。
「このことは、アルファタウリのマシンが今回どれだけ速く走ることができたかを示している」
「ユウキも同様に速かった。しかし、愚かなミスをひとつではなく3つも犯した。彼は8位でフィニッシュできたはずだったんだ」
マルコ博士は、具体的な事例には明言を避けつつもそう語り、角田のミスは「3つ」と指摘した。
アルファタウリは今季厳しい戦いを強いられ、コンストラクターズランキングでは長く最下位に低迷していた。しかし前回のアメリカで角田が8位(+ファステストラップのボーナス1点)、今回リカルドが7位に入ったことで、ランキング8番手に浮上。7番手ウイリアムズとの差は12ポイントまで縮まった。
そういう意味でも、今回角田が入賞できたかどうかは、今シーズンのアルファタウリ の結果を大きく左右するモノだった可能性がある。