
鈴鹿サーキットで開催されたスーパーフォーミュラの2023年最終戦で、リアム・ローソン(TEAM MUGEN)は2位。逆転でのチャンピオン獲得を目指したが、宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)に8ポイント届かず、ランキング2位でシーズンを終えた。
ローソンは第7戦もてぎが終了した後、負傷したダニエル・リカルドの代役としてF1に参戦。アルファタウリのマシンを5戦にわたって走らせ、シンガポールGPでは9位入賞も果たした。今週末のスーパーフォーミュラ最終ラウンド(土曜日に第8戦、日曜日に第9戦を行なう2日連続開催)はF1ドライバーとなったローソンの帰国初戦というだけではなく、チャンピオンを懸けた重要な2レースだった。
土曜の第8戦から、ローソンはチャンピオンに向けての執着を見せた。予選ではチームメイトながらタイトル争いのライバルである野尻智紀をブロックするシーンもあった。決勝では赤旗で早期終了となったことで追い上げのチャンスが奪われ6位。タイトルを目指すのは相当厳しくなった。
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しかし日曜日に行なわれた第9戦でもローソンは諦めることなく、予選でポールポジションを獲得してみせ、逆転タイトルに望みを繋いだ。そして決勝では、スタートで予選2番手の太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に先行されると、その後は抜き返すことができず2位でフィニッシュ。ランキング首位で最終戦を迎えた宮田が3位に入ったため、宮田がチャンピオンを獲得。ローソンはランキング2位でシーズンを終えることになった。
「今週末はスタートにずっと苦しんでいた。スタートには自信があまりなかったんだ」
ローソンはレース後にそう語った。
「スタートでポジションを落としてしまった。とはいえレースを通じてマシンは速かったから、常に太田選手にプレッシャーをかけていたんだけど、それだけでは十分じゃなかった。アンダーカットを狙ったんだけど、それも十分じゃなかった」
「今日の太田は本当に速かった。僕は差を縮めてプレッシャーをかけるために、最後の10周は懸命にプッシュしたんだ。でも、彼は一度もミスすることなく、とてもクリーンな走りだった。ペースが落ちることもなかった」
ローソンは12周目に宮田がピットインしたのを見て、翌周にピットへ。宮田をカバーしながら、首位を行く太田をアンダーカットしようとした。しかしこれも功を奏さなかった。
「アウトラップのペースがイマイチだったから、それがトップに行けなかった理由だと思う。その時は宮田をカバーしながら、アンダーカットを狙う必要があった」
「宮田を交わすことはできたんだけど、先頭に立つほどのスピードはなかった。確かに今年、アウトラップが僕らの強みだった。でも今日はすごく苦戦してしまった。結局それが首位に戻れなかった理由だと思う」
ローソンは今季がスーパーフォーミュラ参戦1年目。しかし初戦でいきなり勝利を手にするなど、”さすがF1候補生”と唸らせる活躍を見せた、最終的にチャンピオンには届かなかったが、それでも満足できるシーズンだったという。
「素晴らしいシーズンになった。ここで戦うのは大変だということは、ずっと分かっていたんだ」
そうローソンは言う。それは、母国の先輩であるニック・キャシディや、レッドブル育成の先輩であるピエール・ガスリーらから聞かされていたようだ。
「ニック・キャシディやピエール・ガスリーなど、僕より前にここに挑んだドライバーたち全員からそう聞かされていた。大変なチャレンジになるのは分かっていたから、できる限りの助けを求めたんだ。でも、とても良いシーズンだったと思う」
「最後は明らかに僅差だった。タイトルを逃したのは残念だったけど、宮田は非常に安定したパフォーマンスを見せていた。それは、僕らには欠けていたモノなんだ。速さはあったけどね。宮田はほとんど全てのレースで表彰台に上がっていたと思う」
「同時に、TEAM MUGENと一緒に戦えたことはとても光栄だった。彼らは僕に多くの影響を与えてくれた。ドライバーとしての成長を助け、F1へステップアップする手助けもしてくれたんだ」
「最終結果については、後悔していない。それでも、もっとうまくできたはずだと考えるものだ。そして昨日の結果が、僕らのチャンスを奪ってしまったと思う」
「今日の予選とレースで持っていた速さは、昨日も持っていた。でも、それを発揮するチャンスがなかったんだ」