
メキシコシティGPのフリー走行1回目では、ハースF1からオリバー・ベアマンが出走。レギュラードライバーであるケビン・マグヌッセンのマシンを駆り、フェラーリ育成の期待の新星がF1公式セッションデビューを果たし、チームから高い評価を得た。
イギリス出身の18歳であるベアマンは、メキシコシティGPに向けて2年前のフェラーリSF21で走行を行ない、FP1に備えた。
そのFP1で ベアマンは1分21秒313を記録して15番手。メキシコシティGPで通算200戦目を迎えるレギュラードライバーのニコ・ヒュルケンベルグから0.3秒差という結果だった。
そして、チームでエンジニアリングディレクターを務める小松礼雄は週末に向けて重要なこのFP1でベアマンが「ひとつもミスを犯さなかった」と語った。
「彼を責めることはできないと思います」
ベアマンについて小松ディレクターはそう語った。
「彼は本当によくやってくれましたし、最初の準備からずっとプロフェッショナルで、とても仕事がしやすかったです」
「全てのプロセスにおいて、何の不満もありません。彼は冷静で、今回の走行プログラム全ての目的を理解していました」
「彼は何ひとつミスをしませんでした。ただ彼はソフトタイヤでのラップやタイム差を最大限活かすことはできませんでしたし、ニコのラップも良くはありませんでした。だから、あまり深読みすることはできません」
「ただ彼のフィードバックという点では、エンジニアたちとの関わりが本当に良かったです。とても、とても良い仕事ぶりでした。とても感銘を受けました」
「正直なところ彼のマネジメントも含めて、準備期間中、フラストレーションが溜まったり、難しいことがあったりという瞬間を挙げることはできません。プロセスはとてもスムーズで、彼や彼のマネジメントチームと仕事ができて本当に良かったです」
またベアマンが期待以上の結果を残したか、と訊かれた小松ディレクターは次のように答えた。
「これ以上のことは望めないと思います」
「そして、僕の期待よりも良かったことは確かです」
「僕の期待値が低かった訳でもありませんが、プロフェッショナルでした。彼は何もミスしませんでしたし、コミュニケーションやフィードバックもかなり良かったです」
「だから本当に文句のつけようがありません。とても印象的なFP1でした」
ハースはこれまで、現フェラーリドライバーのシャルル・ルクレールを含め多くのルーキードライバーを走らせてきた。
彼らと比べてベアマンはどうだったか、と訊かれた小松ディレクターは次のように答えた。
「直接比較するのは少し難しいですね。ただ正直なところ、今回のことだけを考えれば、彼はとても上手くやってくれました。本当に良くやったと思いますし、今回の彼を責めることはできません」
「アブダビではまた彼と一緒にセッションを行なう予定です。楽しみにしています。来年はもっとセッションを増やしていきたいですし、とても期待しています」