
F1第20戦メキシコシティGPの予選は、シャルル・ルクレールがポールポジションを獲得し、フェラーリがフロントロウを独占した。レッドブルのマックス・フェルスタッペンは3番手に甘んじたが、最大のサプライズは4番手にダニエル・リカルド(アルファタウリ)が食い込んだことだろう。
負傷から復帰してまだ2戦目のリカルドは金曜日のFP2で6番手につけ、すでに良いペースを示していたが、土曜日のFP3では9番手と少し後退したかのように見えた。
しかし予選でリカルドはQ1で4番手、Q2で5番手と素晴らしい走りを見せた。Q3進出には、チームメイトの角田裕毅によるサポートも効果を発揮した。角田はすでにパワーユニット交換によるペナルティを受け、最後尾からのスタートが決まっていたため、リカルドのサポートに専念し、トウ(スリップストリーム)をリカルドに与えたのだ。
今季初のQ3進出を果たしたリカルドは、角田のサポートなしでも速さを発揮。レッドブルの間に割って入る4番手を獲得してみせた。
リカルドは『Sky F1』に、「金曜日の1周目から、ちょっと変わったセットアップで週末をスタートしたんだ」と語った。
「それは僕にとって心地よいものだった。そのおかげでポジティブにやる気になっているのも確かだと思う」
「今年はレース的にはあまりいい結果を残せていないけど、以前の自分に近いものを感じている。そして、ああ、僕はうまくやれるんだ、と感じている。いろんなことから、自信を引き出すことができた」
「FP3は9番手だったけど、自分のラップには全く満足していなかった。でも、そのことでフラストレーションが溜まるのではなくて、予選に臨む自信になったんだ。クリーンにまとめれば、トップ10圏内に入れるだろうとね。小さなことだけど」
リカルドは前戦アメリカGP後から、すでにメキシコシティGPに向けて前向きな気持ちをもっていたと明かした。
「正直なところ、結果が出たから今こう言っているのではなく、アメリカGPの日曜日の夜にはすでに金曜日のフリー走行を走りたかったんだ」
「マシンに戻りたかったし、テーブルの上に何かが残っているような気がしていた」
「セットアップに関しても、今週末は(スプリントではない)よりオーソドックスな週末になると思っていたので、試してみたいこともあったし、自信もあった」
「だから昨日は1周目から自信があった。4番手はちょっと予想以上だったけど、予選ではQ3進出が目標ではなく、どこまで順位を上げられるかが課題だった」
「チームとして自信はあったと思う。4番手とまではいかなくても、パーフェクトなラップができれば、6番手か7番手くらいにはなるんじゃないかと思っていたんだ。だからクールだよ」
リカルドは、クリーンなラップをすることがパフォーマンスのカギのひとつだったと語った。
「ここはダウンフォースを最大にして走るユニークなコースなんだ。でも、標高が高いからすごく滑りやすいんだ」
「だからこそ、あまりクリーンすぎてもスムーズすぎても速く走れないサーキットのひとつなんだ。でもオーバードライブは禁物で、走りが乱れて自分からダメにしてしまうのがとても簡単なコースなんだ」
「正確さと繊細さが要求されるし、もっと速く走れるような気がする。でも、そうしようとした瞬間にスライディングしてしまい、少し損をしてしまうんだ」
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