
F1メキシコシティGPの予選ではフェラーリのシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得し、2番手にカルロス・サインツJr.が入った。フェラーリ勢がフロントロウを独占した格好である。
ただ、この結果を当の本人たちも驚きを持って受け止めており、サインツJr.は突如タイムを改善できた理由を「理解できない」と語った。
というのも、フェラーリ勢はQ2の時点でルクレールがトップタイムから0.330秒遅れの6番手、サインツJr.が0.811秒遅れの9番手となっていた。初日のフリー走行を終えた時点でもフェラーリ陣営からは、予選ペースでは「上位陣からかなり離されている」と悲観的なコメントが聞こえていた。
しかしQ3になると突如フェラーリが速さを発揮。最初の計測でサインツJr.が1分17秒233をマークすると、続くルクレールが0.067秒上回る1分17秒166でタイムシートのトップに躍り出た。
このタイムにはレッドブルのマックス・フェルスタッペンも及ばず。2回目の計測ではフェラーリ勢も含め各車が大きくタイムを伸ばすことができなかったため、フェラーリの予選ワンツーが確定した。フェラーリの予選フロントロウ独占は2022年モナコGP以来だ。
ただ、気になるのがQ2からQ3へのフェラーリのタイムの改善幅。ルクレールは0.735秒、Q2でミスのあったサインツJr.に至っては1.149秒速いタイムだった。
「とても奇妙な予選だった」
セッション後、サインツJr.はそう語った。
「正直なところ、週末を通して1周をまとめ上げることに苦労してきた。初めてまとめ上げられたのはQ3最初の走行だった。そしたらいきなり1番手に上がって、その後(2回目のアタックで)シャルルに0.5秒差をつけられた」
「僕らがどこで突然0.5秒も稼げたのか、次のラップのどこで0.5秒も遅かったのか理解に苦しむよ」
「タイヤはとてもトリッキーだし、サーキットを走っているときのマシンの感覚も奇妙なんだ。でも大事な時に良いラップを走ることができた。これで明日(のレース)に向けていい位置に立つことができた」
ポールシッターのルクレールが日曜日の決勝レース向けて今季初勝利の熱意を見せた一方、サインツJr.はフェラーリのロングランでのポテンシャルには慎重な姿勢を取った。
「燃料を沢山積んだ状態では、燃料が少ない時ほど強くないのは明らかだ」とサインツJr.は言う。
「僕らのマシンはニュータイヤ、特にピークにあるソフトタイヤをリヤに履くことで多くの恩恵を得ていると思う」
「明日、それらのタイヤをどうやって長持ちさせてレッドブルを抑え込むかを調べてみるつもりだ。2台が前にいることはアドバンテージになるからね」
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