2023.10.29

フェラーリ、フロントロウ独占でフェルスタッペン退ける。リカルドが驚異の4番手……チームプレー徹した角田裕毅15番手|F1メキシコシティGP予選

Steven Tee / Motorsport Images

 F1第20戦メキシコシティGPの予選が行なわれた。ポールポジションを獲得したのは、フェラーリのシャルル・ルクレールだった。アルファタウリの角田裕毅は、パワーユニット交換によってグリッド最後尾が決まっていたものの、15番手で予選を終えた。

 F1メキシコシティGPの舞台となるエルマノス・ロドリゲス・サーキットは海抜2200mに位置し、ドライバーだけでなくマシンにも独特の要求が課されるコースだ。

 グランプリ2日目は強い日差しが照りつけ、現地15時から行なわれた予選セッション開始時には気温26度、路面温度46度というコンディションだった。

■Q1

 下位5台が足切りされるQ1。序盤からレッドブルが1−2体制を築くも、その間にアルファタウリのダニエル・リカルドが割って入った。フリー走行での練習通り、最後尾が決まっている角田のトウ(スリップストリーム)を得て、ストレートでタイムを稼いだ。

 ソフトタイヤ温存を考えてか、フェラーリ勢、メルセデス勢やマクラーレン勢は序盤にミディアムタイヤを選択した。ただ、Q2進出に十分なタイムは出せず、6台とも2回目のアタックではソフトタイヤを選んだ。

 ソフトタイヤに履き替えたマクラーレンのオスカー・ピアストリが1分18秒241で2番手に浮上に浮上する中、残り4分という頃から、ほとんどのドライバーが最終アタックに向けて一斉にガレージから飛び出していった。

 ただ優位なトラックポジションを得るべく、ピットレーンは大渋滞と化した。そして、隊列の前方でアタックしていたフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)がターン3でスピンを喫したことでイエローフラッグが振られ、タイムを更新できたドライバーはいなかった。

 結果として、それまでに1周をまとめられなかったマクラーレンのランド・ノリスを含む5台がQ1でノックアウトとなった。

 なお、イエローフラッグ中に十分に速度を落とさなかったとしてメルセデスのルイス・ハミルトンやウイリアムズのローガン・サージェントが調査対象に。その他、ピットレーン出口で他車を塞いだり、1周の最低ラップタイムを遵守しなかったりと、複数名のドライバーが調査対象となった。

■Q2

 トップ10入りを決めるQ2では序盤からフェルスタッペンが1分17秒625をマーク。2番手につけるペレスに対して、いきなり0.499秒差をつけた。

 その2台の間に入ったのがピアストリと、角田のトウを得たリカルド。5番手にはアルファロメオのバルテリ・ボッタスがつけるなど、今週末好調さを見せるチームのドライバーが上位に名を連ねた。

 残り3分30秒というところで、トップのフェルスタッペンを除く14台が一斉にピットアウト。ここでリカルドは1分17秒706を記録してフェルスタッペンのタイムに肉薄するも、続けてアタックしていたハミルトンが2台を上回る1分17秒571をマークしてQ2トップ通過を果たした。

 レッドブル、メルセデス、フェラーリ、アルファロメオが2台揃ってQ3進出。残る2枠をピアストリとリカルドが掴んだ。

 一方、Q2敗退となったのはアルピーヌのピエール・ガスリー、ハースのニコ・ヒュルケンベルグ、アロンソ、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボン、チームプレーに徹した角田の5名。アルボンは一時Q2突破に足るタイムをマークしていたものの、ターン2でのトラックリミット違反によって当該タイムが抹消となった。

■Q3

 迎えたポールポジションを決めるQ3。まずは周を除く9台がコースに姿を現し、ユーズドタイヤを履くペレスからタイム計測を開始した。

 ペレスは1分17秒788をマークするも、続くフェルスタッペンが0.502秒上回る1分17秒286でトップに立った。

 3回のフリー走行全てでトップタイムをマークしていたフェルスタッペンがやはりここでも強いか、と思われたが、突如フェラーリが本領発揮。ルクレールが1分17秒166でトップに浮上すると、チームメイトのカルロス・サインツJr.も2番手につけてみせた。

 1回目のアタックでリカルドは4番手。ユーズドタイヤを使用したメルセデスは5〜6番手だった。

 アタックのタイミングをずらした周が単独でタイム計測を行なった後、一度ガレージに戻っていたドライバーは残り3分というところからコースイン。最終アタックへ出た。

 しかし各車とも最終アタックのタイムは伸びない。フェラーリ勢がタイムを上げられなかったが、フェルスタッペンも最後に自己ベストをマークするもフェラーリの2台には届かず3番手止まり。その他のドライバーもルクレールのタイムを上回れなかったことで、前戦アメリカGPに続きルクレールの2週連続でのポールポジション獲得が確定した。Q2のタイムから0.735秒の改善と、ルクレール自身もその結果に驚きを隠せない様子だった。

 2番手にサインツJr.が続いたことで、フェラーリが今季初のフロントロウ独占となった。

 フェルスタッペンは3番手。大金星の4番手を掴んだリカルドを挟む形で、5番手にペレスが並んだ。6番手ハミルトン以下、ピアストリ、ラッセル、ボッタス、周というトップ10になった。

 F1メキシコシティGPの決勝レースは日本時間10月30日(月)の午前5後から開始される。角田は最後尾からの出走となるが、アルファタウリは少なくとも予選までは絶好調……どこまで追い上げることができるだろうか。

ADVERTISEMENT

ADVERTISEMENT

出典: https://jp.motorsport.com/f1/news/f1-rd20-mexico-city-gp-qf-report/10539584/
この記事を書いた人 滑川 寛

SHARE

FAVORITE

こちらの記事もおすすめ