
MotoGP第16戦オーストラリアGPは3日目のスプリントレースが悪天候により中止となった。フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)はこうした事態を受け、開催時期を変更すべきではないかと語っている。
オーストラリアGPは当初より天候が3日目に悪化する予報がされていたため、MotoGPクラスの決勝レースとスプリントレースの開催日を入れ替える決定がされた。そのため22日(日)にはスプリントレースが行なわれる予定だったのだが、直前のMoto2クラス決勝が強風によって赤旗中断の末、再開なしで終了するなど悪天候の影響が出ていた。
そしてMotoGPクラスのスプリントレースも、強風が改善しないことからレースディレクションは中止の判断を下した。
今回は雨を伴う悪天候となっていたが、オーストラリアGPの現在の開催時期に天候面で混乱が起こることは珍しいことではない。また低い気温も度々問題視されてきた。そういった背景もあり、バニャイヤはレース開催時期を変更すべきだと語っている。
「僕らはその件(開催時期の変更)を求めている。でもF1のスケジュールなど、色々な理由から難しいんだろうね。実際はわからないけど」
今年始め、バニャイヤはオーストラリアGP開催をより早い時期に変更すべきかと訊かれた際に、そう答えていた。
「僕からすれば、マンダリカとオーストラリアはシーズンの早い時期に動かしたほうが良いだろうというのは明らかなことだ。フィリップアイランドは夏の方がおそらくコンディションが良いだろう」
「風は変わらないかもしれないけど、日差しがあって気温の面でも良いだろう」
「今日のウォームアップではフロントブレーキを温めるのはムリだった。ブレーキ無しでターン10に毎周向かっているんだ。気温が低すぎるんだよ」
一方、MotoGPのレースディレクターのマイク・ウェブは、日曜日にメディアに対し、「商業的な理由」も存在していることを指摘しつつ、オーストラリアGPの日程は変更されないと語った。
なお現在メルボルンで開催されているF1は2035年まで契約を結んでいるが「最低でも5回、F1開幕戦をアルバートパークで行なう」条項が盛り込まれているという。
AGCP(オーストラリア・グランプリ・コーポレーション)のアンドリュー・ウェスタコット元CEOは、motorsport.comの取材に対し、F1とMotoGPの開催時期について、かつて次のように語っていた。
「MotoGPは開幕戦をカタールに据えており、1月や2月は開催時期ではない」
「我々はF1をシーズン初めに開催しているし、組織として息をつくスペースが必要なんだ。そして、サプライヤーやインフラなどについても考えなくてはならない」
「だから、MotoGPはこの枠が適切だし、快適に使用できる時期なんだ。(MotoGP運営の)ドルナとしてもそのはずだ」
なお今回のレース中断の判断には多くのライダーが理解を示している。ただ母国戦のジャック・ミラー(KTM)は、せめて確認のために何周か走るべきだったと主張している。
「僕はこの決定には賛成していない。僕らは少なくとも何周か走るべきだった」
レース中止の決定後、ミラーはDAZNに対しそう語った。
「たしかに風が吹きすさんでいるけど、そういうものだ。高速道路で風が強くても、走り続けなくちゃいけないんだ」
「こういった状況で座してバイクを眺めているのは、楽じゃない。ガッカリしているよ。来年はレースができるといいね」