
今年、TGR WECチャレンジドライバーに選出され、海外挑戦に大きく一歩踏み出した宮田莉朋。彼は来季からWECのLMGT3クラスにレクサスから参戦するものと見られており、したがって2024年のスーパーGTには参戦しない見込みであることが分かった。
スーパーGTでは今季36号車au TOM'S GR Supraのドライバーを務める宮田は、先日行なわれた第7戦オートポリスで勝利し、相方の坪井翔と共にシリーズランキングトップに浮上。同じくポイントリーダーのスーパーフォーミュラも含め、“国内2冠”の可能性も高まっている。
そんな宮田は今年からWECチャレンジドライバーになり、ル・マン24時間レースなどでもTOYOTA GAZOO Racingに帯同。将来のハイパーカークラスのドライバー候補として経験を積んでいる。またWEC富士戦ではダニエル・セラの代役として急遽ケッセル・レーシングから参戦。フェラーリ488 GTEをドライブしてGTE AMクラスの3位表彰台に貢献した。そして来季からは、本格的に海外挑戦をスタートさせることになる。
スーパーフォーミュラはWECとの日程重複がないため、宮田は掛け持ちという形でスーパーフォーミュラへの参戦を継続することになるようだが、スーパーGTは2大会のスケジュールがWECと被っており、腰を据えての参戦が難しい状況となっていた。
これにより、2024年シーズンのスーパーGTにおけるトヨタ陣営のドライバーラインアップには、大きな穴が空くことになる。坪井にとっては2021年のTOM'S加入以来、関口雄飛、ジュリアーノ・アレジ、そして宮田と毎年新しいチームメイトと組んできたが、また新たな相方を迎え入れることになりそうだ。
motorsport.comの取材によると、宮田の後任として最有力なのは、現在TGR TEAM ENEOS ROOKIEに所属する山下健太だ。2019年のGT500チャンピオンでもある山下は、全日本F3時代はTOM'Sのドライバーであり、2020年には代役としてTOM'Sの37号車に乗った経験もある。
その山下の後釜として誰がルーキーレーシングに加入するかは現段階では明らかになっていない。ただパドックでの噂として、トヨタは他メーカーに所属するドライバーと契約しようとしているのではないか、という話も挙がっている。
またGT500トヨタ陣営に関しては、立川祐路が今季限りでの引退を表明しているため、TGR TEAM ZENT CERUMOのシートも1席空くことになる。スーパーフォーミュラでは立川が監督を務めるCERUMO・INGINGに所属する阪口晴南が移籍してくるという線も考えられているが、彼が来季もTGR TEAM WedsSport BANDOHに残留するという可能性もあるようだ。