
FIAはF1カタールGPの直前に、アンドレッティのF1新規参入を承認した。しかしアンドレッティはすぐにF1に参戦することができるわけではなく、F1の商業権所有者であるFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)との契約を結んで初めて、F1に打って出ることができる。
しかし既存の10チームは、アンドレッティが新規参入するとF1が不安定になり、チームによっては収入が減ってしまう可能性もあるため、これに懐疑的だ。そのためFOMも、アンドレッティと契約を結ぶには慎重な姿勢を崩していない。
メルセデスのドライバーであるルイス・ハミルトンは、アンドレッティがF1に参入することについて、当初は支持する姿勢を見せ、次のように語っていた。
「素晴らしいと思う」
「F1にはグリッドに十分な数のマシンがないと僕は常々感じていたんだ」
しかしその後にハミルトンは態度を一変。自身のSNSに「アンドレッティを支持したわけじゃない。僕らのスポーツをより多様なモノにするチャンスであれば、将来的に別のチームを作るというアイデアを支持しただけだ」
これについてハミルトン本人を直撃すると、彼は次のように語った。
「第一に、僕はアンドレッティを支持しているわけではないよ。ドライバーの観点からすれば、もっと多くのマシンを見られる可能性があると思うと、ワクワクするよ」
「そして11番目のチームを迎え入れるというアイデアについて言えば、僕らのチームには2000人以上の人がいる。それは膨大な仕事量だ」
「しかし非常に厳しい基準が尊重されるようにしなければいけない」
「実際に基準を修正し、実際に影響を与える機会を確保する必要があると感じている。新しいチームができるなら、多様性のあるチームでなければいけないと、本当に感じている」
FIAに承認されなかったローディン・カーズの創設者であるデビッド・ディッカーは、Wシリーズで3度にわたってチャンピオンに輝いたジェイミー・チャドウィックを乗せるつもりだった。ハミルトンも、女性ドライバーをはじめとして、様々な人たちがF1に参加できるようにしなければいけないと語った。
「彼らはおそらく女性ドライバーが活躍できるチャンスを作らなければいけない。そしてそれは、そのトップからして多様でなければならない」
「現時点ではF1チームのオーナーは全員白人だ。トップダウンでは、本当に多様性が欠如してしまう」
「その状況を変える必要がある。それが僕の考えだ」
ハミルトンは、アンドレッティを受け入れるかどうか、F1のCEOであるステファノ・ドメニカリの判断を全面的に支持すると付け加えた。
「僕はステファノのことを100%信頼している。彼のことは長いこと知っているんだ」
そうハミルトンは言う。
「彼が今やっていることを考えれば、彼以上に優れた仕事ができる人はいないと思う。彼は、今後正しい決断を下すだろう。それを僕は知っている」
「彼はレーサーで、このスポーツを発展させることに情熱を持っている。だから、有能な彼の手にこのスポーツの将来を任せることができることを、嬉しく思っているよ」
ADVERTISEMENT
ADVERTISEMENT