
F1カタールGPの決勝レース終了後には、複数のドライバーが体調不良を訴えることとなった。これについてマクラーレンのランド・ノリスは、今回のカタールGPはF1ドライバーにとって危険すぎるものだったと語った。
2年ぶりの開催となったカタールGP。しかしその開催時期は2年前の11月中旬から、1ヵ月半ほど前倒しされた10月上旬となった。そのこともあり、サーキットは連日猛暑となり、それがドライバーたちを苦しめた。
それだけではなかった。舞台となったルサイル・インターナショナル・サーキットには、ターン12〜14の右にぐるりと回り込む高速複合コーナーが存在し、ドライバーには大きな横Gがかかった。加えて初日を終了した時点でタイヤにダメージが及ぶ可能性が指摘されたため、決勝レースは事実上3ストップとすることが義務付けられた。そのためドライバーたちはレース中常に全開アタックを行なうことを余儀なくされた。
これらのことが複合的に重なり、ドライバーたちを蝕んだ。アルピーヌのエステバン・オコンは走行中に気分が悪くなり、ウイリアムズのローガン・サージェントは重い脱水症状でリタイア。その他の多くのドライバーも体調不良を訴え、複数のドライバーがメディカルセンターに駆け込んだ。トップ3でフィニッシュしたドライバーもインタビューを待つ間に地面に座り込み、表彰式を待つ控室でも、床に大の字で寝転がってしまうシーンが見られた。
3位でフィニッシュしたノリスは、今回のレースでドライバーの限界が見つかったと語った。
「おそらく今日、僕らは限界を見つけたんだと思う。まぁ、こんな形で限界が見つかるなんて、残念だと思うけどね」
そうノリスは言う。
「メディカルセンターに行ったり、気を失ったりする人もいた。決して良い状況ではない。非常に危険なことが起きているということだ」
「でも、そう簡単に行けるようなところでない。ドライバーはもっとトレーニングするか、そういうレースを多くするか、選ばなきゃいけない。僕らは非常に体力的に厳しいレースをしていて、高温で密閉された車内にいる。それは本当に苛立つようなことなんだ」
「テレビで見ると、肉体的にはあまり厳しいようには見えないかもしれない。でも体調不良でリタイアしたり、苦しんでいる人たちがいるなら、僕らが走っているスピードに対してそれはやりすぎなんだというのは明らかだ。危険すぎるよ」
「来年のカタールGPはシーズンの終盤になることは分かっているし、数ヵ月経てばもっと涼しくなるだろう。でも、それは考慮する必要があることだ。今後必ず話し合われるだろう。そもそも、起きるべきことではなかったからね」
なお2024年のF1カタールGPは、12月1日にシーズン第23戦として行なわれることになっている。
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