
F1カタールGP決勝は様々な要因が重なり、F1でも指折りのフィジカル的に厳しいレースとなった。そんなレースを制したレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、コンディションを加味せずに3ストップが要求されたとして批判を展開した。
スプリント形式での開催となったカタールGPは、大会初日の夜にタイヤトラブルの懸念が浮上。周回数を重ねたタイヤにトップコンパウンドとカーカスコードの間のサイドウォールが剥離する初期症状が確認され、その原因になっていると疑われたターン12〜13の縁石を回避すべく、当該エリアのトラックリミットに変更が加えられた。
また、決勝の前には各タイヤセットに18周という使用可能周回数の上限が設けられ、57周のレースでは必然的にピットストップを3回行なうことが義務化された。これにより各ドライバーはタイヤを労わる必要性が減り、スタートからフィニッシュまで全開で走ることを強いられることになったのだった。
そして舞台となったカタールは、夜でも気温32度と高止まり。この日は湿度も75%超えと、シンガポールに並びF1カレンダーの中でも1、2を争う過酷なコンディションとなった。
強制3ストップによる全開走行と暑いコンディションが組み合わさったことで、決勝ではウイリアムズのローガン・サージェントが重度の脱水症状によってリタイア。チェッカーフラッグを受けたドライバーも口々に体調不良を訴えた。
フェルスタッペンは「僕としては最もタフなレースではなかった」と語る一方で、今回の事態を招いた強制3ストップは「バカげている」と批判した。
「僕にとっては最もタフだったという訳じゃなくて、厳しいレースのひとつだった」
フェルスタッペンはSky Sportsに対してそう語った。
「とにかく暑かった。もちろん、予想はついていたけどね。今週末は全体的に暑すぎて、ドライブしにくかったよ」
「またこういうことがあるなら、シーズン後半にレースを開催するべきだ」
「日中の気温が40度もあるのに、3ストップで全開走行するのはちょっとバカげている。特に強制的な3ストップはね」
「まるで予選みたいに全開でプッシュしていた。ちょっと過酷だったよ」
「僕が表彰台に向かって歩いている時、多くのドライバーが横たわっているのが見えたよ」
また今回のレースでは前戦日本GPに続いてマクラーレンのオスカー・ピアストリとランド・ノリスが表彰台を獲得。決勝の前日に行なわれたF1スプリントではピアストリが優勝しており、フェルスタッペンはマクラーレンの急成長を注視している。
マクラーレンは今季の開幕当初、表彰台はおろか入賞を狙うのもやっとという状況だったものの、シーズン途中に投入された大型アップデートで急激な伸びを見せ、一躍表彰台争いの常連へと成長。コンストラクターズランキングでも4番手のアストンマーチンに詰め寄っている。
カタールGPで勝ち星を14としたフェルスタッペンは、どうやってモチベーションを維持しているのかと尋ねられた際、次のように答えた。
「また次のレースへ行って、また勝てるように頑張るんだ。勝つのは最高の気分だし、僕はもっと勝ちたい」
「今回もマクラーレン勢はかなり接近していたから、その差を開くために僕らはもっと頑張らないといけない。彼らはシーズンを通してかなり改善してきたし、見ていてとても感心させられたよ」
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