2023.10.12

今年のF1カタールGPも、タイヤにとってはピンチ! 金曜日走行後にトラブルの兆候発覚。追加で10分の練習走行が決定……スプリントシュートアウトは20分後ろ倒しに

Mark Sutton / Motorsport Images

 F1カタールGPの初日フリー走行終了後、ピレリの調査によれば、多くのタイヤでサイドウォール部分のトッピングコンパウンドとカーカスコード間に亀裂が確認されたという。この問題に対処するため、スプリントシュートアウトの前に追加の練習走行が行なわれ、さらに決勝では3ストップすることが義務付けられることになるかもしれない。

 FIAは声明を発表。この問題が生じていることを認め、タイヤを使いすぎてしまうと、内部の空気が抜けてしまう可能性があるという。

「この問題は、タイヤのサイドウォールとこのサーキットで広く使用されている50mmの『ピラミッド』型縁石との間の高周波干渉によって引き起こされた可能性が高く、縁石に乗りやすいという傾向により、その兆候がさらに悪化した」

 FIAはそう説明する。

 FIAとしてこの問題は、F1カタールGPの土曜日のタイムスケジュールを緊急に変更するほどの懸念事項であるという。そのため、スプリントシュートアウトの前に、10分間の追加の練習セッションが組み込まれた。

 FIAは声明の中で、レース中に問題が発生する可能性を排除するため、多くの処置を講じると述べた。

 まずターン12〜13のトラックリミット制限が見直される。ドライバーがこれに慣れるために、前述の通り10分間の追加練習セッションが行なわれる。

 この影響により、スプリントシュートアウトは当初の予定よりも20分後ろ倒しされ、4時20分にスタートする。

 そしてF1スプリントの後、さらにタイヤの分析が行なわれ、日曜日の決勝レースに向けてさらなる措置を講じる必要があるかどうかが決められるという。

 もしここでもトラブルの兆候が確認されれば、FIAは安全上の理由から、決勝レースでのタイヤの最大使用周回数を決定する可能性がある。

 FIAの想定では、レース中に新品タイヤは20周を超えて使ってはならなくなる可能性がある。すでに使用済みのタイヤを使う場合は、予選のイン&アウトラップを考慮し、合計22周までに制限されるという。

 今回の決勝レースは57周と決まっているため、この使用制限周回数が指定されれば、全ドライバーが最低でも2回ピットストップする必要があるわけだが、FIAはここにも介入し、全ドライバーに3ストップを義務付ける可能性もある。

 ピレリとFIAはこの問題の理由を確実に理解し、今後この問題を回避するための解決策に取り組むと約束。広範囲の調査とシミュレーションを実施していくとしている。

出典: https://jp.motorsport.com/f1/news/f1-introduces-emergency-safety-measures-for-qatar-gp-amid-tyre-failure-concerns-/10529825/
この記事を書いた人 Jonathan Noble

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